山形県は16日、県庁舎や美術館、体育館など公共施設の建物内禁煙率を2017年度、100%に引き上げ完全実施する方針を明らかにした。年度内に策定する「やまがた受動喫煙防止宣言」に目標値として盛り込む。
 幼稚園や学校、児童福祉施設など子どもが使う施設や医療機関は、建物だけでなく敷地内の禁煙も100%にする。飲食店や宿泊施設、遊技・娯楽施設などは建物内禁煙か、完全分煙の実施率を現在よりも倍に高める。屋外施設も、子どもや妊産婦が訪れる可能性のある公園、動物園、遊園地などは敷地内禁煙を目指す。やむを得ず喫煙所を設置する場合は、多数が利用する場所から10メートル以上離れた位置に限る。
 施設の管理者には、入り口付近に「禁煙」「分煙」などの表示を設けるよう求める。来場者が意図せず受動喫煙の被害に遭わないよう、施設内の対策を明示してもらう。喫煙者のマナー向上にも取り組み、17年度には職場や家庭、飲食店などで受動喫煙に巻き込まれる機会を半減させる。
 県の調査によると、建物内禁煙率は官公庁97.3%、美術館97.5%。敷地内禁煙率は幼稚園85.1%、小中学校97.1%、病院64.7%。受動喫煙対策の実施率は飲食店40.2%、宿泊施設63.4%となっている。県は条例による受動喫煙防止対策を見送り、数値目標を掲げた宣言を策定する方針。県民、事業者、行政でつくる宣言実行委員会(仮称)を発足させ、目標達成や対策の進展状況を管理する。

本記事では,山形県における受動喫煙防止対策の取組方針を紹介.
2014年12月2日に開催された同県議会における同県知事の議案説明「受動喫煙防止対策の具体的な目標も掲げ」*1る方針が提示されたことを,2014年12月4日付の本備忘録でも記録した同県による「受動喫煙防止宣言」策定の取組.本記事によると,同目標として「公共施設の建物内禁煙率」を「2017年度」「100%に引き上げ完全実施」とする目標値を設定する模様.
「喫煙場所を包括的に制限する」「条例を制定すること」*2は見送った同県.目標値の達成方法は,要観察.

*1:山形県HP(知事室県議会での知事説明県議会知事説明要旨2014年)「12月定例会 (2014年12月2日)

*2:田中謙『タバコ規制をめぐる法と政策』(日本評論社,2014年)302頁

タバコ規制をめぐる法と政策

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