北海道上士幌町が1日、「ふるさと納税大感謝祭」と銘打ったイベントを東京都内のホテルで開いた。町に寄付した人のうち抽選で約1000人が招待され、特産の牛肉や蜂蜜、ジェラートなどが振る舞われた。各自治体は寄付者への返礼を競い合っているが、ふるさと納税情報サイト「ふるさとチョイス」の運営会社によると、「こうしたイベントの開催は聞いたことがない」という。
 ふるさと納税は、希望する自治体に寄付すると所得税や居住地の住民税が控除される制度。同町は人口5000人弱と小規模ながら、2014年度は税収を上回る約8億5000万円(1日現在)を集めた。会場には石破茂地方創生担当相も訪れ、「制度を拡充して使いやすくしていく。頑張る地域をこれからも応援していただきたい」と来場者に呼び掛けた。竹中貢町長は「納税やイベントを通して新しい交流が生まれるのではないか」と期待を示した。

本記事では,上士幌町におけるふるさと納税の取組を紹介.
同町では,「「ふるさと納税」をきっかけにつながりを持つ」方へ「感謝の気持ち」と「交流を深める」ことを目的に「東京都内」で「大感謝祭」*1を開催.同感謝祭では,「十勝ナイタイ和牛」「十勝ハーブ牛ローストビーフ」「ハチミツ」「ミルクジャム」「ジェラート等」の「試食」や「ふるさと納税」で「提供」された「特産品セット」「北海道限定生ビール」「キッコーマンしぼりたて生しょうゆ」「航空チケット&宿泊券等」の「抽選会」*2を開催.また,異なる階では「上士幌サロン」として「観光・生活体験・二地域居住・移住定住・優良田園住宅地・求人・地域おこし協力隊募集・起業・子育て・教育・住まい・暮らしなど」について「ゆったりとお話できるサロンを設置」*3している.ふるさと納税を行った「1000名様」の「招待枠に対し」て「3500名以上」から「応募」があり「抽選」*4が行われ,本記事で紹介されている通り「約1000人が招待」された模様.
他方で,設計段階では,「寄付を募るために、地方団体が寄附者に対して特産品などの贈与を約束したり」*5すること等は「基本的には各地方団体の良識によって自制されるべきもの」*6との認識も示されたこともある同制度.「「とられるもの」であった税を,自分の意思で「納めるもの」に変化」*7するなかで,今後の寄付状況は,要観察.

*1:上士幌町HP( 行政・まちづくり)「上士幌町ふるさと納税大感謝祭2015 in東京

*2:前掲注1・上士幌町上士幌町ふるさと納税大感謝祭2015 in東京)

*3:前掲注1・上士幌町上士幌町ふるさと納税大感謝祭2015 in東京)

*4:前掲注1・上士幌町上士幌町ふるさと納税大感謝祭2015 in東京)

*5:総務省HP(組織案内自治税務局ふるさと納税など個人住民税の寄附金税制ふるさと納税研究会ふるさと納税研究会『ふるさと納税研究会報告書』(平成19年10月)23頁

*6:前掲注5(ふるさと納税研究会報告書)23頁

*7:宇野重規「現代的知事の誕生?」宇野重規, 五百旗頭薫編『ローカルからの再出発 日本と福井のガバナンス』(有斐閣,2015年)206頁

ローカルからの再出発--日本と福井のガバナンス

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