県内ゆかりの作家や、県内が舞台の文学作品の魅力を紹介する「県ふるさと文学館」が一日、福井市下馬町の県立図書館内にオープンした。
 式典には、特別館長に就任した福井市出身の芥川賞作家、津村節子さんら関係者ら約百人が出席。津村さんは「いろんな催しを通して、人が交流する文学館になってほしい」と期待を寄せた。出席者はテープカットの後、館内を見て回った。津村さんと夫で作家の故吉村昭さんの歩みをたどる開館特別展「津村節子吉村昭 果てなき旅〜夫婦作家の軌跡」では、津村さんの幼少期の映像や直筆の原稿などについて、津村さんが懐かしそうに説明した。
 記念イベントとして、津村さんと、同じ福井市出身で直木賞作家の藤田宜永(よしなが)さんが「夫婦作家が語る! 小説家の人生」をテーマに対談した。藤田さんは、妻の小池真理子さんが先に直木賞作家となり「遅れたスタートだったが、焦りはあまりなかった」などと話した。文学館は観覧料無料。三好達治中野重治をはじめ県内出身やゆかりの作家約三十人の愛用品や直筆原稿などの資料を展示し、若手作家の交流の場などにも活用される。(中場賢一)

本記事では,福井県における県立図書館の取組を紹介.
同図書館に「福井ゆかりの作家」や「福井を描いた作品の資料などを収集・保存・展示」し「福井の文学を継承」することを目的とした「福井県ふるさと文学館」*1を設置.同館は「図書館・文書館」と「3館が併設されるメリット」を活用し,「作家や作品を知る」「文学」,「実際に作品を読む」「読書」,「時代背景を調べる」「郷土史」の「各館の機能を組み合わせた楽しみ方を提案」*2する予定とある.ぜひ訪れてみたい.
「福井の魅力とは,実のところ,収拾がつかないほどの多様さなのだ」*3とも解されるなかで,同文学館の活用状況は,要観察.

*1:福井県HP(福井県立図書館・文書館・ふるさと文学館文学館総合案内)「福井県ふるさと文学館について

*2:前掲注1・福井県福井県ふるさと文学館について)

*3:五百旗頭薫「希望の土を尋ねて」東大社研・玄田有史編『希望学 希望の福井,福井の希望』(東京大学出版会,2013年)293頁