福岡市は19日、インターネット上に設けている仮想行政区「カワイイ区」を3月末で廃止する方針を明らかにした。高島宗一郎市長の肝いりで、市の魅力発信を目的に開設されたが、2年半で事業は終了する。市総務企画局は「市のPRに高い成果を上げたが、今後も斬新さや話題性を維持していくのは難しく、終了を判断した」としている。
 カワイイ区は2012年8月、初代区長にタレントの篠田麻里子さんを迎えてスタートした。インターネット上でメールアドレスとニックネームを“区民登録”した人に、市のイベント情報などを紹介するメールマガジンを配信。有料で特別住民票も発行した。企業にカワイイ区のロゴなどを提供してタイアップした応援商品の開発も推進。区の運営は民間事業者に委託し、12〜14年度の委託料は計約3200万円だった。
 区民登録者数は12年11月に4万人を突破したが、その後は勢いが鈍り、今年2月1日時点の登録者は4万1513人。市民の一部から「男女差別を助長する」などと指摘があり、13年2月には篠田さんが区長を退任した。同年9月にはカナダ人の女性ブロガー、ミカエラ・ブレスウェートさんが2代目区長に就任。最近はメディアで取り上げられる機会も減り、市議会などから事業の必要性を疑問視する声も出ていた。高島市長は19日、カワイイ区について「若い世代にPRできたと思う。今後は創業や移住といった新しい切り口でのPRを考えていきたい」と話した。

本記事では,福岡市における「カワイイ区」*1廃止の方針を紹介.
2012年8月31日付の本備忘録では,「区民登録」の状況を記録した,同市における同区に取組.2015年2月1日現在では「41,513」*2名の登録があったものの,本キッジによると,設置後「2年半」で「事業は終了」となる模様.今後,「合区」*3は,どのように進められるのか,要観察.

*1:福岡市HP(区役所)「カワイイ区

*2:前掲注1・福岡市(カワイイ区)

*3:伊藤正次「行政組織の構造と変遷」財団法人東京市政調査会編『大都市のあゆみ』(指定都市市長会,2006年)219頁

大都市のあゆみ

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