東日本大震災から11日で4年を迎えるにあたり、震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島3県の42市町村の首長に各自治体が策定した復興計画の進捗(しんちょく)状況について聞いたところ、全体の4割に当たる18人が、計画の見直しが必要と考えていることが分かった。福島県東京電力福島第1原発事故による避難生活の長期化や除染作業の遅れからインフラ整備が進んでいないほか、岩手、宮城県でも資材高騰や作業員不足などから一部の工事に遅れが生じている。国は2015年度までの集中復興期間終了後、復興事業の一部地方負担を検討しているが、各自治体は期間延長や財政支援の継続を求めている。
 アンケートは2月、岩手12、宮城15、福島15の自治体の首長に書面で実施。復興計画は11年12月に成立した復興特別区域法などに基づき、各自治体が定めている。各自治体とも各県の復興計画に合わせ、10年を計画期間としている。アンケートで「抜本的に必要」と回答したのは福島県大熊町。同町は第1原発の立地自治体の一つで、全町避難が続いており、「避難区域再編や中間貯蔵施設の設置などの状況変化を踏まえ、見直している」とし、既に作業を進めている。「ある程度必要」は17人で岩手3、宮城4、福島10。宮城県名取市津波被害の大きかった閖上(ゆりあげ)地区の集団移転問題も抱え「策定当時と状況が変化し、実施財源の確保も難しい」と、国の財政支援の継続を求める。同県利府町自治体の職員不足や入札不調から復興工事に遅れが出ているとし、「事業期間の延長が必要」とした。福島県内の除染計画は、15自治体のうち5人が「ある程度見直しが必要」と回答。いわき市浪江町などでは汚染土について「仮置き場の確保に苦慮」とし、作業の遅れが続いている。【まとめ・山本浩資、深津誠】

本記事では,岩手県宮城県福島県に位置する市町村おける復興計画の進捗状況を紹介.同紙による調査結果.
同調査結果は,「被災42自治体」の「復興計画の見直し」に関しても「抜本的に必要」「ある程度必要」「必要でない」「検討段階にない」の4段階で調査.同調査の結果によると,「抜本的に必要」との回答は1町(大熊町).「ある程度必要」は17市町村(洋野町普代村田野畑村気仙沼市南三陸町利府町名取市,新地町,浪江町富岡町楢葉町いわき市飯館村,川俣町,葛尾村田村市双葉町),「必要でない」は21市町村(岩泉町,宮古市,山田町,大槌町釜石市,大船渡市,陸前高田市石巻市,女川町,松島町,塩竈市七ケ浜町多賀城市仙台市岩沼市亘理町,山元町,相馬市,南相馬市広野町川内村),「検討段階にない」は3市村(久慈市,野田村,東松島市)とある.
2015年3月10日付の「内閣総理大臣記者会見」では,2017年「3月で5年間の集中期間は終わり」,「次の5年間の新たな復興支援の枠組みをこの夏までに策定」*1する方針が示されたなか,「平常時でさえ,区画整理事業・再開発事業」「など公共事業という空間計画事業には,十年・二十年単位の時間が必要」であり「平常時以上に時間がかかって当然」*2な復興事業が掲載された復興計画の進捗状況は,要観察.

*1:首相官邸HP(記者会見総理の演説・記者会見など平成27年)「平成27年3月10日 安倍内閣総理大臣記者会見

*2:金井利之「被災地における住民の意思反映と自治体行政職員」『被災自治体における住民の意思反映 ―東日本大震災の現地調査・多角的考察を通じて―』(公益財団法人日本都市センター,2014年,19頁

被災自治体における住民の意思反映―東日本大震災の現地調査・多角的考察を通じて―

被災自治体における住民の意思反映―東日本大震災の現地調査・多角的考察を通じて―

  • 作者: 公益財団法人日本都市センター
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