横浜市の指定有形文化財である旧関東財務局(中区)が来年夏、飲食施設やシェアオフィスなどを備えた複合施設として生まれ変わる。横浜DeNAベイスターズが施設を管理・運営し、地元クリエイターとスポーツ関連企業が連携した商品開発の仲介なども行う考えだ。
 旧関東財務局は1928年建築の鉄筋コンクリート造り地上4階、地下1階建て(延べ床面積約1980平方メートル)。市が国から買い取り、2013年11月に指定有形文化財となった。中心市街地のにぎわいの創出や経済の活性化などを目的に、市が昨年8月に施設の活用事業者を募集。応募があった9事業者を選考した結果、ベイスターズが選ばれた。
 ベイスターズは「スポーツ×クリエイティブ」をテーマとし、〈1〉企業やクリエイターなどが入居するシェアオフィスの開設〈2〉ヘルシーメニューを開発・提供し、スポーツを楽しむ市民がコミュニティーを醸成するヘルスケアカフェ・パブの開設――などを計画しているという。建物が老朽化しているため、市は現在、耐震補強と改修工事を実施。来年春頃に、同社と15年間の定期建物賃貸借契約(賃料は月約260万円)を結ぶ。その後、ベイスターズが内装工事を実施し、来年8月にもオープンする予定だ。
 市創造都市推進課は「横浜の創造産業の中核施設に育ってもらいたい。地元企業との連携による地域経済の活性化につながれば」と期待している。

本記事では,横浜市における公有財産の取組を紹介.
同市の「登録歴史的建造物」となる「旧関東財務局」を,「創造産業の集積」の「推進」と「賑わいの創出」「経済の活性化につなげる中核施設」となるように「活用をすること」を目的に,2013年度には「耐震補強を含めた改修工事」に関する「基本設計」を行い,2014年度には「活用事業者の公募」*1を進めてきた同市.本記事によると,本記事に紹介されている同社と「賃料」が「月約260万円」で「15年間」の「定期建物賃貸借契約」を締結し,2016年8月に「飲食施設やシェアオフィスなどを備えた複合施設」として開設する方針を紹介.
「空間もまた,官(公)と私に二分化」からの「その一義的な目的のためだけに維持管理」から「緩やかさ」*2をもった利用となるか,今後の利活用状況は,要観察.

*1:横浜市HP(文化観光局お知らせ一覧旧関東財務局が本格活用に向け、始動します! 〜事業者の皆さまと「対話」を実施します〜)「旧関東財務局 が本格活用に向け、 始動 します! ~活用事業の公募要項を作成するため、事業者の皆さまと「対話」を実施します~」(文化観光局創造都市推進課,平成25年3月28日)

*2:保井美樹「新しい「コモンズ」を支える組織のデザイン」岡崎昌之編,全労済協会監修『地域は消えない』(日本評論社,2014年)94頁

地域は消えない―コミュニティ再生の現場から

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