マンション一体型の複合施設への入居が話題となった東京都豊島区の新庁舎(南池袋二)が七日、オープンし、関係者らがテープカットで開庁を祝った。
 高野之夫区長は「区民人口が増えており、まもなく三十五年ぶりに二十八万人を超える。住みたい街として選ばれるよう、みんなで頑張ってまいります」とあいさつ。「一番乗り」で婚姻届を提出するため訪れた三組のカップルに、ふくろうをかたどった金と銀のブローチが渡された。新庁舎を訪れた同区巣鴨の小寺恵子さん(66)は「廊下がギャラリーになっていて工夫されている印象」と話していた。
 新庁舎は、建築家の隈研吾(くまけんご)さんが設計した地上四十九階、地下三階建ての「としまエコミューゼタウン」のうち、一階の一部と三〜九階に入居。上層部は約四百三十戸のマンションとなっており、区によると、マンション一体型の自治体本庁舎は全国で初めて。
 新庁舎では全ての土曜、日曜日を含む年三百四十五日、総合窓口と福祉担当課を開ける。庁舎外に設けた庭園には、現在は区内には自生しないイヌコリヤナギなどを植え明治−大正期ごろの自然環境を再現した。

本記事では,豊島区における新庁舎の開庁を紹介.
2008年5月16日付2010年4月29日付2010年4月29日付2013年11月1日付2015年3月25日付の各本備忘録でも記録した同区の新庁舎整備.同庁舎の建設は,「高層階を民間のマンションとして一体的に整備する」「複合型庁舎」*1であることに加えて,「他のまちに比べると」「大きく遅れを取っている」*2との理解もされたなかで,「市街地再開発事業と一体で行われる」*3ことも特徴的.「都市はしばし遅れた方が先に立つ」*4か,まさに「時間がたてばたつほど楽しみな建物」*5.今後の利用と同区の再整備状況も,要経過観察.

*1:小島小島卓弥「複合型庁舎・施設による建設コスト圧縮の可能性」小島卓弥編著『ここまでできる実践公共ファシリティマネジメント』(学陽書房,2014年)101頁

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント

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*2:高野之夫,隈研吾,渡辺憲司「座談会 文化も福祉もまちづくりも「豊島区型」で世界をリードしよう」『東京人』No.318,2012年11月増刊,34頁(高野発言)

東京人増刊 豊島区を楽しむ本 2012年 11月号 [雑誌]

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*3:前掲注1・小島卓弥,103頁

*4:前掲注2・高野之夫,隈研吾,渡辺憲司,34頁(隈発言)

*5:豊島区HP(区政情報広報広報紙広報紙 広報としま広報としまバックナンバー広報としま 平成27年(広報としま) 平成27年5月1日号)「広報としま平成27年5月1日号(特集版)」2頁