安倍政権が地方創生の主要施策に位置付ける政府機関の地方移転をめぐり、消費者庁の誘致に乗り出すことを表明している徳島県飯泉嘉門知事は13日の定例会見で「徳島は消費者行政の全国モデルをつくってきた。迎えるには最適の場所だ」と述べ、あらためて実現への意欲を示した。
 知事は、東京一極集中を是正する政府機関の地方移転を「企業の本社機能移転と両翼」と指摘。「省は難しいが、外局や研究機関は割と移しやすいのではないか。(現在は)民間に賃料を払っているところが多く、国も助かる」とした。その上で、消費者庁を選んだ理由として▽全国に先駆けて食の安全・安心や消費者行政に力を入れている▽同庁設置の必要性を提案してきた−ことなどを挙げ「チャレンジしていく。後は国がどう考えるかだ」と述べた。消費者庁の誘致場所は県庁を想定しており「消費者庁と県(の看板)が正面玄関にあるのは絵になる」と語った。知事はこのほか、総務省の情報通信関連の試験機関や、食料・農業に関する研究開発を行う「農業食品産業技術総合研究機構」などの誘致を提案することを視野に入れているとした。政府は8月末まで、国や独立行政法人が所管する機関の受け入れを希望する道府県を募集中。移転する機関を来年3月に決める。

本記事では,徳島県にける政府機関関係の地方移転の方針を紹介.
「東京の一極集中を是正」とともに,「地方の自主的な創意工夫」から「それぞれの地域資源や産業事情等を踏まえ」た「地方における「し ごと」と「ひと」の好循環を促進すること」を「目的」に「東京都にある政府関係機関」と「すべての研究機関・研修所」*1を対象とした同取組.
提案に際しては,次の事項を提案自治体が提示することが求められている*2.まずは,「道府県等の提案団体の名称」,「関係市町村の名称」,「誘致を希望する政府関係機関の名称」*3となる.誘致を希望する政府関係機関は,「まとまりのある一部分の組織・機能の移転や地方拠点の設置を希望する場合」には,「そのことが明確に分かるよう記載」*4することを求められる.その他に,「誘致先の予定地」として,「住所,面積,交通アクセス等当該予定地の現況」の「記載」*5が条件とされている.
さらに,「誘致の必要・効果」を予め提示することとなる.例えば,「地方版総合戦略の重要な要素であること」と「 国の機関としての機能確保」の「内容」は「必ず記載」*6することが求められている.具体的には,前者では「当該地方公共団体の総合戦略の重要な要素」と「誘致する機関の業務・ 機能とが密接に関連」しながら「総合戦略の目標達成」に際して「当該機関の移転が重要な要因となるものであること」,後者では,「当該機関が現在地から当該道府県に移転」した場合,「国の機関とし ての機能が確保でき」「運用いかんによってはむしろ向上することが期待できること」*7を示す必要がある.
その他には,「誘致のための条件整備の案」として,「施設の確保等移転先の施設の確保・設置のための具体的な条件整備の案」と「職員の居住環境確保への協力職員の居住環境の確保」への「国又は独立行政法人等に協力」についての「誘致自治体による協力のあり方を含めた条件整備の案」の提示や,「その他誘致に当たり解決すべき課題への対応策の案」,「関係する市町村の意見等」の記載をまとめた後,2015年「8月31日(月)」*8までに提出する.
本記事では,徳島県では,「県庁」への「消費者庁の誘致」の検討方針を紹介.「各省が商品・サービスごとにまちまちに行っている消費者行政を一元化」*9した同庁.設置場所が「各省」から「ちらば」*10ることによる「効果」の記載は,提出後,要確認.

*1:首相官邸HP( 会議等一覧まち・ひと・しごと創生本部政府関係機関の地方移転について政府関係機関の地方移転に係る提案に関する説明会議事次第)「資料1 政府関係機関の地方移転について

*2:首相官邸HP( 会議等一覧まち・ひと・しごと創生本部政府関係機関の地方移転について政府関係機関の地方移転に係る提案に関する説明会議事次第)「資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について」(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局,平成27年3月3日)

*3:前掲注2・首相官邸( 資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について)

*4:前掲注2・首相官邸( 資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について)

*5:前掲注2・首相官邸( 資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について)

*6:前掲注2・首相官邸( 資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について)

*7:前掲注2・首相官邸( 資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について)

*8:前掲注2・首相官邸( 資料2 地方創生に資すると考えられる政府関係機関の地方移転に係る提案について)

*9:真渕勝『行政学』(ぎょうせい,2009年)157頁

行政学

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*10:前掲注9・真渕勝:157頁