町田市は、廃校となった同市本町田の小・中学校の建物と敷地を利用して学校施設を建設する事業者に、市内の桜美林学園を選んだと発表した。同学園は、運営する桜美林大学の学生が主に使うグラウンドやホール、スタジオなどを整備する。
 事業地は旧本町田西小学校と、隣接する旧本町田中学校の計三・二ヘクタール。今後、小学校校舎を取り壊してグラウンドとし、中学校校舎はホールやスタジオ、アトリエなどを備えた施設に改修する。
 土地は五十年間の定期借地で、同学園は来年一月ごろに市から引き渡しを受けて着工し、二〇一八年四月の供用開始を目指す。広報担当者は「地域の人にも、イベントや合奏の練習などで利用してもらいたい」と話している。
 両校は地域の児童・生徒数が減ったため、一一年度までに廃校になった。市は防災面や生涯学習での施設開放を条件に、私立学校を誘致。昨年十二月から今年四月にかけて企画を提案してもらうプロポーザル方式で事業者を募集し、学識経験者でつくる評価委員会の審査を経て決定した。 (栗原淳)

本記事では,町田市における市有財産の活用の取組を紹介.
同市では,同市内同「小学校」と同「中学校」跡地に,「私立学校を誘致」してきたなか,本記事でも紹介されている通り,「公募型プロポーザル方式により事業者を募集」し,「外部有識者で構成されるプロポーザル評価委員会での評価」を行い,「事業候補者」*1が決定.公立小中学校から私立大学へと,利用主体が変更されることとなる.
「学校跡地利用に関しては,他の公共施設にも増して丁寧な手続きが必要」*2と解されるなかで,「地元自治会・町内会の代表」「学識経験者で構成される検討組織」が開催され,同組織で利用案に関する報告がまとめられている.その後,同報告を踏まえて同市が策定した「まちづくり構想」では,同小中学校については,「バス停に近接している立地であること」から「団地地区外からのアクセス性に優れて」た「立地」として,「団地地区外から多くの人を呼び込み」「地域との交流を生」み,「地域の活性化を促す」という観点から,「教育関連拠点として私立学校を設置」*3することが定められた.
その後,事業者の応募が行われ,応募者は本記事で紹介されている同法人から応募があり,上記の評価委員会で審査.その結果,「500」点満点中「329」*4点で,同事業者を候補者と決定している.
今後,「事業者,周辺住民,団地事業者,行政等の地域の関係者」が「連携」しながら,「50年間にも及ぶ」「長期」の「継続的にまちづくり」の過程は,要観察.

*1:町田市HP(市政情報市の財務状況市有財産の有効活用)「旧本町田西小学校及び旧本町田中学校に私立学校を設置する事業候補者を「学校法人 桜美林学園」に決定しました

*2:小島卓弥「学校跡地の有効利用 〜品川区の取り組み」小島卓弥編著『ここまでできる実践公共ファシリティマネジメント』(学陽書房,2014年)141頁

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント

ここまでできる 実践 公共ファシリティマネジメント

*3:町田市HP(市政情報市の財務状況市有財産の有効活用)「旧本町田西小学校及び旧本町田中学校活用に係る事業者公募要項」(町田市,2014 年12月)1頁

*4:前掲注3・町田市(旧本町田西小学校及び旧本町田中学校活用に係る事業者公募要項)6頁