福井県鯖江市は4日までに、10日から始まる国勢調査のインターネット回答者に抽選で市特産品を贈るとしたキャンペーンは統計法に抵触する恐れがあるとして、抽選の対象者を変更すると発表した。インターネット回答後に市のアンケートに答えた人が対象となる。
 市によると、統計法は統計調査の目的以外に調査情報を利用することを禁じている。国勢調査の回答者が自動的に抽選対象となる同キャンペーンは、調査で得た氏名、住所などを利用することになり、同法に触れる可能性がある。
 「ITのまち」を掲げる同市は、対象約2万3千世帯の約30%がインターネットで回答することを目標に、8月末にキャンペーンを発表。抽選で越前漆器や地酒など市特産品が当たるとしていた。2日に「統計法に抵触するのではないか」と県民から県へ問い合わせがあり、県が総務省に確認し抵触の恐れが分かった。
 市情報統計課の笠嶋正信課長は「法律の解釈が甘かった。インターネット回答を推進するためキャンペーンは行いたい」と話した。市のホームページに近く、インターネット回答に関する市のアンケートを設置。アンケート回答者の中から抽選で30人に特産品を贈る。国勢調査のインターネット回答期間は10〜20日。調査世帯に配布する予定だったキャンペーンチラシ約2万3千枚を作り直した。
 国勢調査 人口や世帯数を把握するため5年に1回実施される。インターネットによる回答は今回初めて導入。パソコンやスマートフォンで約10分でできる。記入漏れなどの不備があると回答送信時にメッセージが表示され、これまで不備に対し問い合わせていた自治体の負担軽減も図れる。

本記事では,鯖江市における国勢調査の取組を紹介.
「負担軽減や利便性の向上を図る観点」から「全世帯を対象としてオンラインによる調査」*1の導入を受けて,2015年8月31日付の同紙でも報道されていた,同市における「インターネットを利用した回答を増やそう」という目的から「回答者の中から抽選で30人」に対して,同市の「特産品を贈る」*2取組.本記事によると,「統計法に抵触する恐れがある」として「抽選の対象者を変更」されることが報道されている.
同法との抵触とは,日本経済新聞による同日付の報道*3によると,同法第40条「行政機関の長、地方公共団体の長その他の執行機関又は届出独立行政法人等」は「この法律」に「特別の定めがある場合を除き,統計調査の目的以外の目的のために,当該統計調査に係る調査票情報を自ら利用し,又は提供してはならない」*4と規定の模様.
国勢調査への忌避感」*5が指摘されるなかで,同調査の結果は,集計後,要確認.