愛知県小牧市の新図書館建設計画への賛否を問う住民投票が4日投開票され、反対が賛成を上回った。市は計画の見直しを迫られることになりそうだ。
 当日有権者数は11万6624人で、投票率は50・38%だった。市はレンタル大手TSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携して計画を推進。反対する市民団体は「ツタヤに図書館の運営を任せず、市直営にすべきだ」などと訴え、反対への投票を呼び掛けてきた。この結果に法的拘束力はないが、条例は市長に尊重するよう求めている。

本記事では,小牧市における住民投票の結果を紹介.
1978年1月に開館した同市の図書館.同図書館の「老朽化・狭あい化」の課題と,「小牧駅前」で「長年再開発が進まない状態」にあることで,同駅前の「市有地が十分に活用されていない」課題を解消すべく,「官民連携による」同駅前への「新図書館建設」*1を計画.2014年8月に「公募型プロポーザル」により「将来指定管理候補者」となりうる「連携民間事業者」*2,同年12月には「設計業者」が選定され,2015年8月に「基本設計(案)を発表」*3.「基本設計案の概算建設費」は「2年間で約42億円」*4と推計されている.
同年同月に「パブリックコメント*5を実施したなかで,議員提出により「現在の新図書館建設計画に関する住民投票条例」*6が,同年9月に制定.同条例に基づき,「現在の新図書館建設計画に賛成」か「現在の新図書館建設計画に反対」*7かが投票された同市の住民投票.本記事でも紹介されている通り,開票結果は,「投票総数」「58,760」のうち「有効投票数」は「57,333」となり,内訳では「賛成」が「24,981」,「反対」が「32,352」*8
同条例第13条では「市長及び市議会は,住民投票の結果を尊重するものとする」*9と規定されているなかで,同投票の結果を「尊重」した,図書館建設という「公共財の意思決定」*10の結果は,要確認.

*1:小牧市HP(市民の方へ生涯学習図書館新図書館の建設)「現在の新図書館建設計画について」8頁

*2:前掲注1・小牧市(現在の新図書館建設計画について)11頁

*3:前掲注1・小牧市(現在の新図書館建設計画について)12頁

*4:前掲注1・小牧市(現在の新図書館建設計画について)34頁

*5:前掲注1・小牧市(現在の新図書館建設計画について)12頁

*6:小牧市HP(市民の方へ生涯学習図書館新図書館の建設)「現在の新図書館建設計画に関する住民投票条例

*7:小牧市HP(市民の方へ生涯学習図書館新図書館の建設)「10月4日(日)実施 現在の新図書館建設計画に関する住民投票のお知らせ

*8:小牧市HP(市政選挙小牧市議会議員一般選挙及び現在の新図書館建設計画に関する住民投票投票及び開票の速報について)「現在の新図書館建設計画に関する住民投票(平成27年10月4日執行)

*9:前掲注6・小牧市(現在の新図書館建設計画に関する住民投票条例)

*10:坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か 』(岩波書店,2015年)156頁