◆「美術館」構想も
 多摩市はアニメ「ちびまる子ちゃん」などの制作で知られる「日本アニメーション」(本社・同市)と地域活性化に関する連携協定を結んだ。市の魅力向上が目的で、8月には「ラスカル子ども映画祭」を開催するほか、将来は声優を招いてのアニメフェスティバルの実施やアニメ美術館の開館を目指す。
 同社は1975年、市内に本社スタジオを設立。昨年、創業40年を迎えたことがきっかけで、市と共同で映画祭や原画展を実施した。
 また、市のふるさと納税で寄付額7万円以上の返礼品に、スタジオ見学とアニメの複製原画のセットが登場するなど協力関係を強めてきた。2月に始まったこのセットは3月末までに、7組14人の申し込みがあり、好評を得ているという。
 今回の協定で、両者はアニメやキャラクターを活用して、京王線聖蹟桜ヶ丘駅を中心に街のにぎわいを創出する。阿部裕行市長は「子供たちに夢を与えるスタジオが市内にあることを発信していきたい」と述べ、石川和子社長は「わが社は聖蹟桜ヶ丘のスタジオからスタートした。40年間の作品を改めて地元のファミリー層に届けるきっかけにしたい」と意欲を示している。
 8月6、7日には昨年に引き続き、家族で楽しめる子供のための映画祭「ラスカル子ども映画祭」を関戸公民館などで開催する。アニメ作品の上映のほか、作画体験や声優体験のワークショップなどを開く予定だ。将来的には、この映画祭を発展させ、声優などを招いた大規模なアニメフェスに発展させる構想もあるという。
 三鷹市には「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「もののけ姫」などで知られる宮崎駿監督が館主を務める「三鷹の森ジブリ美術館」があり、地域のシンボルになっている。石川社長は「創業者の故・本橋浩一社長の夢はアニメ美術館を作ることだった。将来、多摩市内にジブリのようなアニメ美術館を作りたい」と抱負を述べた。
 同社は「母をたずねて三千里」「フランダースの犬」「あらいぐまラスカル」など「世界名作劇場」シリーズも手がけている。

本記事は,多摩市における連携協定の取組を紹介.
同市では,1975年に同市内に「設立」された同社を「地域資源ととらえ」「同社が多摩市に立地することを内外へ広くPR」し,「作品やキャラクターを活用すること」で,同市の「魅力向上を目的」として,「協定を締結」*1.同協定に基づき,「アニメーションやキャラクターを活用」し「聖蹟桜ヶ丘駅周辺を中心に人を惹きつけ賑わいを創出」する「事業展開」*2が想定されている.「公-民協定(縦型協定)」*3となる同協定.同協定に基づく具体的な事業は,要観察.

*1:多摩市HP(観光・イベントその他(観光・イベント)日本アニメーション(株)とのまちづくり)「市と日本アニメーション(株)が強力タッグ! まちの活性化に向けて協定締結へ」(市民経済部経済観光課)

*2:前掲注1・多摩市(市と日本アニメーション(株)が強力タッグ! まちの活性化に向けて協定締結へ)

*3:大橋洋一行政法Ⅰ 第2版』(有斐閣,2013年)238頁

行政法1 現代行政過程論 第2版

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