東京都の小池百合子知事は5日の定例記者会見で、2017年度予算の編成方針を発表した。「改革」をキーワードに、合計でおよそ3千件ほどの事業にすべて期限を設定する。従来、期限がある事業は全体の約2割ほどだった。期間を区切ることで政策の評価・改善を促し、無駄を排除する。非効率な補助金なども打ち切りやすくなるとみている。
 都の予算編成方針は例年、7月末に固まっていた。今回は7月31日が知事選の投開票日だったことから、新知事の決定・就任を待って1週間ほど遅れた。
 小池知事は(1)成長創出に向けた改革(2)無駄を排除する都民ファーストの財政構造改革――の2つの方針を打ち出した。成長創出では、年内に策定する「2020年に向けた実行プラン」(仮称)に関する事業を各局の予算要求のシーリング(上限)の枠外として、新規提案を奨励する。
 財政改革は事業の期限設定を新たな柱とする。一般に待機児童対策などニーズの高い施策は補助などを手厚くするが、状況が変われば無駄にもつながりかねない。期限ごとに事業評価を徹底することで政策の改廃を進めやすくする。

本記事では,東京都における予算の見積方針の公表を紹介.
同都では,2017年度予算において「全ての事業の総点検を実施し」「無駄の排除を徹底して行うなど」「都民ファ ーストの視点に立った財政構造改革の一層の推進を図ることを基本として編成」*1をする方針のもと,具体的には,「全ての事業」に「期限を定めることを原則」とし「終期を迎える事業に」は「事業評価を通じた事後検証を徹底して行」い「一層の無駄の排除や事業の有効性・実効性の確保につなげていくこと」*2が示されている.予算編成とともに設定される各事業の「政策終了」*3となる「期限」,そして,当該「期限」の妥当性の検証方法は,要観察.

*1:東京都HP(都政情報報道発表 これまでの報道発表報道発表/平成28(2016)年8月平成29年度東京都予算の見積方針のポイント)「平成29年度予算の見積りについて(依命通達)」(28財主財第68号,平成28年8月5日)2頁

*2:前掲注1・東京都(平成29年度予算の見積りについて(依命通達))4頁

*3:真渕勝『行政学』(有斐閣,2009年)452頁

行政学

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