台風10号で大きな被害を受けた岩手県岩泉町に対し、昭島市が支援を続けている。両市町は友好都市の関係にあり、災害時に助け合う協定も結んでいる。九日からは市内四駅前の街頭で募金活動を始めた。(加藤健太)
 昭島駅では北川穣一市長が募金箱を持ち「友好都市の岩泉に支援を」と呼び掛けた。市職員や民生委員らが十二、十三両日も午後三〜七時に見舞金を募る。
 市は二日、先遣隊の職員三人を派遣。被災地で要望を聞いた上で、水やパン、避難所で使う間仕切りなどを四日に発送した。現在も職員六人が避難所の運営に当たっている。
 街頭での活動のほか、市民会館や市総合スポーツセンターなど八カ所に募金箱を設置。市は西武信用金庫東和銀行多摩信用金庫に見舞金専用の口座も開設した。昭島市内の支店窓口で振り込めば手数料が無料になる。
 岩手県によると、台風10号によって岩泉町では死亡十六人、行方不明四人、四百四十六人が避難を続けている。
 職員の相互派遣で今年四月から昭島市子ども育成課に勤め、先遣隊とともに岩泉町に一時帰省した小成未華さん(26)は「町内全域が津波を受けたような感じで、道路だった場所が川になっていた」と振り返る。家族や自宅は無事だったという。
 同町は岩手県の沿岸北部に位置し、日本三大鍾乳洞の一つと言われる龍泉(りゅうせん)洞で有名。昭島市は都内で唯一、水道水を地下水でまかなっており、両市町は「水が豊かなまち」という共通点で一九九三年に交流を始めた。

本記事では,昭島市における友好協定による取組を紹介.
同市と同町の間では,1995年から「小学生国内交流事業」として「ホームステイを中心平成28年台風10号による被害の岩手県岩泉町への支援についてとした小学生の相互交流」が開始,2011年8月には「災害時相互応援協定」,2014年8月には「地球環境保全のための連携に関する協定」,2014年10月31日には「水と緑でつながる岩泉・昭島友好都市協定」*1をそれぞれ締結している.
同市では,同友好協定に基づき「台風10号による被害」を受けた同町に対して,「市内4駅」での「募金活動」*2,「見舞金の受け付け」*3,同市と「災害協定を締結している企業様より支援物資の調達」による「支援物資」の「提供」*4,各期概ね1週間程度で8期に分けて「職員を派遣」*5している.職員派遣では「先遣隊」は「4名」,「第2陣から第8陣」では「各6名」の「合計46名」となり,「業務」は「先遣隊」が「情報収集及び連絡調整」を実施,「第2陣以降」では「避難所運営業務等」*6を担当する.「復旧は長丁場」*7となるなかでの支援と受援体制は,要確認.

*1:昭島市HP(市政情報企画・政策友好都市)「岩手県岩泉町と友好都市協定を締結しました

*2:昭島市HP(市政情報企画・政策友好都市平成28年台風10号による被害の岩手県岩泉町への支援について)「市内4駅にて募金活動をおこないます

*3:昭島市HP(市政情報企画・政策友好都市平成28年台風10号による被害の岩手県岩泉町への支援について)「平成28年台風10号岩手県岩泉町災害見舞金

*4:昭島市HP(市政情報企画・政策友好都市平成28年台風10号による被害の岩手県岩泉町への支援について)「岩手県岩泉町へ支援物資を提供しました(9月4日)

*5:昭島市HP(市政情報企画・政策友好都市平成28年台風10号による被害の岩手県岩泉町への支援について)「平成28年台風10号により被災した岩手県岩泉町への職員派遣について

*6:前掲注5・昭島市平成28年台風10号により被災した岩手県岩泉町への職員派遣について)

*7:岡本全勝,藤沢烈, 青柳光昌『東日本大震災 復興が日本を変える』(ぎょうせい,2016年)68頁

東日本大震災 復興が日本を変える-行政・企業・NPOの未来のかたち

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