八時だョ!全員退庁−。東京都の小池百合子知事は十四日、長時間労働を減らすため、全職員を遅くとも午後八時に退庁させる取り組みを十月中旬から始めると発表した。「八時完全退庁」を都のルールとし、残業ゼロに向けて都職員の意識改革を図る狙い。
 都によると、都庁職員(本庁舎勤務)の月平均の残業時間は二三・五時間。四十七都道府県の平均一二・七時間の倍近く。忙しい部署では五十〜六十時間に及ぶこともあるという。
 新たな取り組みでは、午後八時に退庁を促す放送を流し、その後庁舎を一斉に消灯する。再び照明をつけて仕事をする場合は、事前申請するルールにする。八時以降に退庁する場合は庁舎出口で名前をチェックし、上司に知らせることも検討する。
 残業減への努力を評価する仕組みも導入。「残業削減マラソン」と名付け、前年度と比べて残業時間の減った割合が高い部署を公開する。
 小池知事は庁内テレビ放送でメッセージを発信。「新しい知事が来て、むしろ仕事が増えて残業も増えた。そんな中、残業減らせとは何事かという人もいるかもしれないが、一種のショック療法。働き方の改革のチャンスととらえてほしい」と呼び掛けた。
 豊洲市場問題にかかわる都職員は「仕事があれば粛々とやります。私たちの役目なんで」と言葉少なだった。
 神奈川、千葉、埼玉三県は長時間労働対策として、いずれも毎週水曜日を「ノー残業デー」に指定。職員に午後五時十五分の定時退庁を呼び掛けている。神奈川県によると、かつては原則午後七時までに消灯する「十九時閉庁」に取り組んだが、担当者は「今は職場実態に合わせて、効率的な働き方を議論している」と説明する。

本記事では,東京都における勤務時間管理の方針を紹介.
同都における「“ライフ”・ワーク・バランス実現に向けた取組の一環」*1となる同取組.「考え方」としては,「徹底した超過勤務縮減に取り組み」「「残業ゼロ」に向けた職員の意識改革を図」*2る方針が示されている.同目標の実現の為にも「各局の切磋琢磨」し,「ハード面から早い退庁へ意識改革」をすすめ,「超勤縮減への努力や成果を評価」しながら,「全職員が毎日「20時00分までには退庁」をはじめとする,都庁の新たな働き方へ変革」*3を目指す.
具体的には2つの取組が提示.一つは,「残業削減マラソン」とされており,「超過勤務縮減率(対前年度)の高い部署を全庁に公開」し,「各局で超勤縮減の計画・目標を設定」する.そして,「各局政策・総務担当部長」による「都庁超勤対策チーム」を「設置」し「定期的に状況確認」*4を行う.もう一つは,上記の通り,「20時00分完全退庁」である.「毎日,遅くとも20時00分までの退庁を目指し」「20時00分退庁を知らせる放送」を行い,「全庁一斉消灯」,そして「20時00分以降の退庁者は庁舎出口でチェック」*5する.「9月中旬」から「実施準備」となり「10月中旬以降,各取組を順次開始」*6となる同取組.「労働時間の無限定性」*7の解消状況は,要観察.

*1:東京都HP(都政情報報道発表これまでの報道発表報道発表/平成28(2016)年)「9月)「超過勤務縮減のための新たな取組について」(2016年09月15日  総務局)

*2:前掲注1・東京都(超過勤務縮減のための新たな取組について)

*3:前掲注1・東京都(超過勤務縮減のための新たな取組について)

*4:前掲注1・東京都(超過勤務縮減のための新たな取組について)

*5:前掲注1・東京都(超過勤務縮減のための新たな取組について)

*6:前掲注1・東京都(超過勤務縮減のための新たな取組について)

*7:筒井淳也『仕事と家族』(中央公論新社,2015年)104頁