大阪府守口市は、新市役所庁舎として購入した旧・三洋電機本社ビルの改修工事を終え、29日、内部を報道陣に公開した。60年超の老朽化した現庁舎に代え、「低コスト」で、期間をかけずに3倍の広さのビルを活用する考え。新庁舎での業務は31日から始まる。(山崎茂)
しめて62億円 新庁舎は現庁舎から南西約200メートル離れた国道1号沿いで、地上10階、地下1階(延べ床面積約3万平方メートル)。2000年に三洋電機本社ビルとして建てられた。09年に三洋を子会社にしたパナソニックから、15年2月に市が購入し、購入、改修費なども含めて市は新庁舎整備で計61億9000万円を投じている。
同社の歴史的商品や資料を展示する記念館は別の場所に移し、記念館だった建物を市議会議場などが入る別館として活用する。新庁舎にはコンビニ、府守口保健所、守口年金事務所なども入居し、市民の利便性は高まりそうだ。
役員室があった9階は議員控室などに。多くの机や椅子なども再利用し、別館壁面の大型太陽光パネルもそのまま継続使用する。10室ある会議室(最大126平方メートル)は、1室あたり90〜410円(30分ごと)で市民らに貸し出す。
65年前の1951年に完成した現庁舎本館の老朽化は深刻だった。本館、別館で約700人の職員が働くが、雨漏りする場所もあり、震度6強の地震で倒壊の恐れがあるという診断も出ていた。
市役所の建て替えなどをにらみ、市は様々な選択肢を模索したが、「費用が安上がりで短期間に移転もできる」などとして三洋本社への移転を決めたという経緯がある。他のまちを見ると、栃木県栃木市が、閉店した百貨店に入居したという例があるが、民間ビルへの市庁舎移転は珍しいとされる。
OB感慨深げ
大企業のオフィスビルだった新庁舎は明るくて広い。女性用トイレにはパウダールームまである。30歳代の女性職員は「おしゃれになり、しかも働きやすそう」と喜ぶ。別の30歳代の男性職員は「これまでの庁舎は空調が悪く、夏は暑くて冬は底冷えした。インフルエンザも流行しやすかった。耐震性も優れているので大地震でも危機管理に万全が期せる」とやる気をみなぎらせていた。
この日、最終点検に臨んだ西端勝樹市長は「職場環境が良くなったので、職員は一層、市民サービスを高めるよう努めてほしい」と語った。
市民もサービス向上に期待を寄せる。同市在住の元三洋電機社員の男性(67)は「かつての本社ビルが今後、市のために貢献してくれればうれしい」と感慨深げな表情。同市で生まれ育ったという主婦(34)は「巨額の税金を投じて得られた物件だ。職員の皆さんには、ぜひ建物に負けない仕事ぶりをお願いしたい」と求める。
本記事では,守口市における新庁舎の開庁予定を紹介.
2016年「10月31日」より「新庁舎で業務を開始」*1する同市.本館では「北エリア」が「9階」,「南エリア」が「10階」*2と別館となり,一敷地内で集約される.また「新庁舎」では「市民に開かれ親しまれる庁舎を基本理念」と置き,「庁舎内の会議室を業務に支障のない範囲で貸し出し」*3が行われる.開庁により「開く」*4庁舎の開かれた利用状況は,要観察.