地域固有の歴史や伝統を反映した活動に焦点を当て、京都市が指定する「歴史的風致形成建造物」に、市役所本庁舎(中京区)が公共的建造物で初めて指定される。昭和初期の建築以降90年にわたって市政の舞台となり、祇園祭山鉾巡行の順番を決める「くじ取り式」の場でも親しまれてきたとして、27日の美観風致審議会専門小委員会で了承された。
 歴史まちづくり法に基づく歴史的風致形成建造物は昨年2月時点で全国に359件あり、京都市には町家や洋館、酒蔵など全国最多の69件ある。この日の小委員会で了承された市本庁舎を含め、新たに4件が4月上旬までに正式に指定される見込みで、計85件まで増える。
 市本庁舎は3代目の京都市庁舎として1927(昭和2)年と31(同6)年に建築された。鉄筋コンクリート造りで、述べ床面積は約1万6千平方メートル。地上6階で、高さは最高部分が33メートル。ほぼ左右対称で、中央と両翼を突出させるネオ・バロック的な骨格を有する。2020年度完成の予定で17年度から耐震工事に入るが、外観の意匠は保存される。
 27日の小委員会で、有識者から「御池通河原町通の交差にあるランドマークだ」などと価値を評価する意見が出た。
 歴史的風致形成建造物になれば、適切な管理の義務が生じるが、「現役の庁舎として今後も使うことから、指定により歴史的価値を市民らと幅広く共有したい」(景観政策課)としている。

本記事では,京都市における歴史まちづくりの取組を紹介.
同市では,2017年3月27日に開催された「平成28年京都市美観風致審議会第3回景観重要建造物・樹木専門小委員会」において,同「市本庁舎」を「歴史的風致形成建造物の指定」を「諮問」*1.本記事によると同小委員会では「了承」され,「4月上旬までに」は「指定」*2となる模様.指定後の「保存と活用」*3状況は,要観察.