山形県金山町で、人の尿などのにおいをかぎ分け、がんを発見する能力を持つとされる「がん探知犬」による検診が始まった。金山町を含む最上地域は、女性の胃がん死亡率が全国ワースト。鈴木洋町長が改善策を探していたところ、がん探知犬について知り、導入に踏み切った。
町によると、自治体が探知犬による検診を導入するのは全国初。
対象は40歳以上の町民1000人。12日に町の健康診断の受診者のうち同意した人から尿を採取。近く日本医科大千葉北総病院(千葉県印西市)に送る。がん患者の呼気をあらかじめかいだ探知犬に尿をかがせ、共通するにおいがあるか調べる。
同病院でがんを研究する宮下正夫副院長は「探知犬によるがんの判別率は、ほぼ100%で、早期がんでも分かる。治療可能な患者が見つかれば」と期待する。
探知犬を育成・訓練する「セントシュガージャパン」(千葉県館山市)によると、探知犬によるがんの判別能力を応用して、におい物質を特定する研究も進められている。同社の佐藤悠二社長は「将来的にはセンサーを作り、犬を活用しなくても検査できるようになれば」と話している。
本記事では,金山町における健康診断の取組を紹介.
「胃がん検診」*1を始めとして10種類の健康診断を実施する同町.本記事によると「がん探知犬」を導入した模様.健康診断の手順は,本記事によると,「健康診断の受診者のうち」「同意した人から尿を採取」,事前に「がん患者の呼気」を「かいだ」「探知犬」が「尿をかがせ」「調べる」.同町の取組を踏まえた,他自治体での同検診の「政策波及」*2の状況は,要観察.
*2:秋吉貴雄,伊藤修一郎,北山俊哉『公共政策学の基礎』(有斐閣,2010年),250頁