東京都の小池百合子知事は昨年10月、議員など外部からの働きかけを記録に残すよう都職員に指示した。毎日新聞が今年4月に記録を情報公開請求したところ、制度が始まった11月から今年3月までに都議関係で92件の働きかけが確認された。
 92件は、都議本人や事務所スタッフなどの要望や提言など。他にも国会議員事務所や区・市議などからが22件、業界や各種団体などからが48件あった。都議の働きかけの中には、都の施設から規則違反で退去を求められた企業について「配慮してほしい」などと2カ月で8回にわたり都側に求めたケースがあった。ただ公開された記録からは、不当な要求を実現させたり、脅迫的な働きかけを受けたりしたケースは見られなかった。
 働きかけを受けた部署を局別でみると、建設局が最多の32件で街灯の設置や道路補修など。産業労働局が21件で商店街振興など、福祉保健局が12件で小児医療の充実などだった。【林田七恵】

本記事では,東京都における「外部関係者や議員から職員に対します働きかけ」の件数を紹介.同紙が実施した情報公開請求の結果による記事.
2016年10月21日に「要綱」による「制度化」の方針を公表した,同都による同種働きかけに対する「記録」*1の取組.本記事によると,同制度が開始した同年11月から2017年3月までの間,「都議関係で92件の働きかけが確認」されたことを紹介.今後の「接触点」*2の状況は,要観察.

*1:東京都HP(都政情報知事について知事の部屋知事の記者会見知事記者会見/平成28小池知事「知事の部屋」 / 記者会見(平成28年10月))「小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成28年10月21日)

*2:伊藤正次,出雲明子,手塚洋輔『はじめての行政学』(有斐閣,2016年)93頁

はじめての行政学 (有斐閣ストゥディア)

はじめての行政学 (有斐閣ストゥディア)