「ふるさと納税」を財源にして、経済的に困窮する子育て世帯に食料を無料で宅配する「こども宅食」を文京区が10月から始める。子育て問題に取り組むNPO法人などと連携し、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を活用しながら、支援の必要な人が悩みを相談しやすい環境づくりにも役立てる。 (石原真樹)
 児童扶養手当を受けている区内の約七百世帯や就学援助を受けている区内の約千世帯から希望者を募り、コメや飲料、菓子など約十キロの食料を届ける。登録手続きにはラインを使う。食料は協力企業やフードバンクからの寄付で集め、配送や人件費などにかかる費用をふるさと納税でまかなう。宅配は、高齢者の見守りなどの実績があり女性ドライバーの多い民間業者に委託する。
 ラインは悩み相談や、必要な支援につなげるためのアンケートなどにも活用する。宅配時、ドライバーが家庭で異変が起きたことに気がついたとき、区に連絡する仕組みも整える。
 宅配は二カ月に一度のペースで始め、来年度からは毎月一回に増やしていく。ふるさと納税に返礼品はなく、本年度は二千万円を集めることを目指す。二十日、記者会見した成沢広修区長は「過剰な返礼品競争が続くふるさと納税制度に一石を投じたい」と話した。問い合わせは区子ども家庭部子育て支援課=電03(5803)1353=へ。

本記事では,文京区におけるふるさと納税制度の取組を紹介.
同区では,同制度を通じた「寄附金」を,同「区内の子育て世帯」を対象に,「企業・フードバンク等から提供を受けた食品等を宅配する」ことを目的とした「こども宅食」*1を開設.具体的には同「区」と「NPO団体等が対等な関係でパートナーシップを組み」ながら「事業に取り組むコンソーシアム」「形式を採用」し「食品の配送」*2を実施.「就学援助受給世帯,児童扶養手当受給世帯」が「対象」とし,「生活保護世帯は対象外」*3となる.「食品の配送等,こども宅食プロジェクトの運営経費」*4の「財源の確保」*5としての同取組.同制度による寄附の結果は,要確認.

*1:文京区HP(区政情報区の取組み)「寄附

*2:文京区HP(子育て・教育子育て)「『こども宅食』プロジェクトが始まります。〜子どもたちに笑顔を届けよう〜

*3:前掲注2・文京区(『こども宅食』プロジェクトが始まります。〜子どもたちに笑顔を届けよう〜)

*4:前掲注2・文京区(『こども宅食』プロジェクトが始まります。〜子どもたちに笑顔を届けよう〜)

*5:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣,2017年)244頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

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