東京都杉並区は10月から、待機児童対策の一環として子供の親の勤務先に働き方改革を促す施策を始める。午後6時半以降の延長保育を希望する場合、勤務先の雇用主に延長保育の必要性を証明する書類を提出するよう求める。勤務体系の工夫などを促すことで、子育て環境の改善につなげる狙いだ。
 延長保育の申し込みには現在、親の就労状況を説明する書類を区に提出する必要がある。10月以降はこの書類に加え、勤務先の社長など雇用主にも書類の提出も求めることで、勤務体系の改善などの動機づけにする。
 区は新たな施策について「従業員の働き方改革ワークライフバランスの推進のため、意識啓発をはかる」としており、待機児童問題を抱える他の自治体にも同様の施策の導入を呼び掛ける考えだ。
 田中良区長は「社会風土や意識を変える一石を投じたい。待機児童問題の解決には子育てをバックアップする人事制度が必要だ」と強調する。

本記事では、杉並区における延長保育の取組を紹介。
同区では、従来「本人の申し出に基づ」き「実施してきた」「保育園」の「延長保育」を「本人の申し出に加え」「雇用主から」「延長保育の必要性があることを証明する書類の提出を求めること」*1を、2017年10月から開始。「対象者」は「正規勤務時間を超え常時超過勤務を要し、月ぎめを申込む保護者」となり、記載事項としては、「勤務する」者の「氏名」「旧姓使用」の場合は「戸籍名」、「住所」、そして「延長保育が必要な理由」を「できるだけ具体的に記載」*2することが求められている。また、「提出がない場合は、雇用主に問い合わせをする場合があ」*3るともある。「対象に対する働きかけ」*4となる取組。提出状況は、要観察。

*1:杉並区HP(区長の部屋記者会見・懇談会資料平成29年度記者会見・懇談会)「記者懇談会資料 平成29年9月6日」7頁

*2:杉並区HP(申請書サービス子ども・教育保育園区立保育園 延長保育申込書・区立保育園延長保育実施のお願い(29年10月1日更新))「(様式)区立保育園延長保育実施のお願い(延長保育の申込に係る雇用主から 区への書類提出について)

*3:前掲注2・杉並区((様式)区立保育園延長保育実施のお願い(延長保育の申込に係る雇用主から 区への書類提出について))

*4:森田朗『新版 現代の行政』(第一法規,2017年)149頁

新版 現代の行政

新版 現代の行政