京都市内の全宿泊施設の利用者から「宿泊税」を徴収する条例案が2日の京都市議会で可決された。国際観光都市・京都で、長年の懸案だった観光客対象の独自新税が創設される。市は税収を観光振興に生かすと同時に、観光客の急増で悪影響を受けている市民の負担軽減策にも充てるという。1人当たり200〜千円で、総務相の同意と観光客や市民への周知を経て来年10月ごろの導入を目指す。市は実施までに、税の使い道や無許可の「違法民泊」に対する徴税方法などを具体的に詰め、新税への理解を広げる必要がある。
 宿泊税の導入は東京都と大阪府に続く3例目だが、違法民泊や低料金の施設を含む全施設の利用者を課税対象にするのは初めて。市は「低額な宿泊料金の利用客も市の行政サービスを受けている。人頭税的な発想で、まずは200円の負担を広く求め、高額な料金の客にはさらに相応の負担を設定した」と説明する。
 税負担の公平性が最大の課題となる。違法民泊への適切な指導や徴収ができなければ、制度の根幹を揺るがす。市議会でも、経営者や所在地の把握が難しい違法民泊の課税逃れを警戒する意見が続出した。
 市内にある違法施設の利用者は、年110万人に上ると推計される。市は、宿泊税の導入によって国から付与される地方税法上の検査権を生かし、違法施設の根絶を図る方針を示した。来年施行の民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づき、条例で定める市独自の民泊規制も連動させるとした。
 市は、施行後5年ごとに宿泊税条例の中身を見直すとしたが、市会は付帯決議で1年半後の検証を求めた。市は条例を弾力的に運用し、納税者となる宿泊客や徴収を担う宿泊業者に理解を広げる姿勢が欠かせない。

本記事では、京都市における宿泊税に関する条例案の可決を紹介。
2017年5月11日付及び同年8月8日付の両本備忘録で記録した同市における同税の検討。同年「9月21日」に同市会に「京都市宿泊税条例」*1案が提出され、同年11月2日に「可決」*2。可決に際しては、次の6項目も付帯決議がなされている。

1 税の公平性、公正性を担保するため、急増する民泊をはじめ違法に営業している宿泊施設への宿泊を確実に捕捉し、宿泊税を徴収すること。
2 宿泊税の代行徴収及び納付ができる第三者納付について、民泊仲介事業者に働き掛け、その活用を図ること。
3 宿泊税収入については、住んでよし、訪れてよしのまちづくりに資する事業に活用し、市民はもとより、納税者である宿泊者、さらには特別徴収義務者となる宿泊施設の運営事業者に、宿泊税の効果を実感いただけるよう取り組むとともに、決算及び使途が明確になるよう、透明性を確保し、議会及び市民への情報公開を行うこと。
4 簡易宿所をはじめとした中小、零細事業者をはじめ、宿泊事業者の納税事務の簡素化と支援に取り組むこと。
5 日本国内はもとより、世界に向けて、宿泊税の主旨及び徴収内容について広報し、宿泊事業者へ負担となることのないよう努めること。
6 条例施行後の状況を早急に把握し、必要がある場合は適切に対応するため、条例の施行の1年6箇月後に、条例の施行の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、宿泊税に係る制度について検討を加え、必要があるときは、早急にその結果に基づいて所要の措置を講じること。

同付帯決議第6項に規定された「条例制定後」*3の「検討」結果は、要確認。

*1:京都市HP(京都市会:審議日程・結果等:平成29年定例会:9月市会議案・審議結果)「議第76号京都市宿泊税条例の制定について

*2:京都市HP(京都市会:審議日程・結果等:平成29年定例会)「9月市会議案・審議結果

*3:鈴木庸夫・監修、新保浩一郎・編著『ケーススタディ 図解自治体政策法』(ぎょうせい、2016年)80頁

ケーススタディ 図解 自治体政策法務~こんなときどうする 行政課題の解決法

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