身体と心の性が一致しない性同一性障害の人に配慮するため、滋賀県は申請書やアンケート用紙などの性別欄を廃止したり、自由記述としたりする見直しを始めた。対象書類の76・9%に当たる196種類で対応する。県は「性別選択の抵抗感を減らすため、行政ができることをしていく」とする。
 性同一性障害を抱え、男女の2択を記載することに精神的な苦痛を感じる人もいるという。
 県人権施策推進課が昨年6月から県の全部署を対象に、性別欄があり、県が県民に提出を求める255種類の書類を調査した。業務上、性別情報が不要な81種で同欄を廃止し、必要な場合でも115種で自由記述などの対応を順次進めることにした。
 見直すのは県立学校の身体検査記録票や県事業のアンケートなど。一方で「医療上、性別情報を収集する必要がある」などの理由で変更できない書類も59種あった。
 同課は「性的少数者への理解が深まるきっかけになれば」としている。県内の自治体では、大津市性的少数者への支援策を検討している。

本記事では、滋賀県における申請書等の取組を紹介。
同県では、「知事部局、企業庁、病院事業庁、議会事務局、教育委員会事務局を含む行政委員会等の全所属」を対象に、県民からの「提出」を求める「申請書等の調査」を行い、「性別欄の必要性や記載の方法」の「見直し」*1を実施。同調査では、「国など県以外の機関が様式を定め」たもの以外で「性別欄のある申請書等は255あり」、「その内」、見直しを行った申請書等は「76.9%にあたる196」*2となる。見直し方法は、「業務上、性別情報が不要な場合は、性別欄を廃止」、または、「業務上、性別情報が必要な理由がある場合」には「性別欄の記載方法」の「工夫が可能か否か検討」*3。例えば、「自由記述方式」や「配付する書類」は「当該書類等の裏面に性別を記載するなど」の「表示方法を工夫」*4とされている。
具体的には、廃止は「81 」、「工夫」の「対応済」が「78」、「対応予定」は「37」*5となる。他方で、必要な書類では、「統計上、収集する必要がある」ものが「78」、「男女共同参画の観点から収集する必要がある 」なものが「31」 、「医療上、性別の情報を収集する必要がある」ものが「16」、「性別により配慮または対応を区別する必要がある」ものが「31」、 「本人確認のため、性別の情報を収集する必要がある」ものが「18」*6となる。「属性情報」*7への同取組。「対応」された「申請書等」は、要確認。

*1:滋賀県HP(県政情報広報県政eしんぶん(報道資料)2017年10月3日号)「申請書等における性別欄の見直しについて

*2:前掲注1・滋賀県(申請書等における性別欄の見直しについて

*3:前掲注1・滋賀県(申請書等における性別欄の見直しについて

*4:前掲注1・滋賀県(申請書等における性別欄の見直しについて

*5:滋賀県HP(県政情報広報県政eしんぶん(報道資料)2017年10月3日号申請書等における性別欄の見直しについて)「申請書等における性別欄の見直し結果一覧

*6:前掲注5・滋賀県(申請書等における性別欄の見直し結果一覧)

*7:山本龍彦『おそろしいビッグデータ』(朝日新聞社、2017年)、58頁