仕事の生産性向上とワーク・ライフ・バランス推進を図るため、茨城県は4月から、時差出勤制度を大幅拡大した。従来は夏場の午前中のみを対象としていたが、新たに午後も含めて対象を通年に広げ、計9パターンの時間帯を選ぶことができるようにした。
 県人事課によると、対象職員は知事部局と労働委員会事務局の希望者。前日までに所属長の承認を受けるのを前提とし、行政サービスや窓口業務に支障が出ないように配慮する。当直勤務のある防災関連部署などは対象外とした。
 設定した出勤時間は、早出が(1)午前7時(2)同7時半(3)同8時-の3パターン。遅出は(1)午前9時(2)同9時半(3)同10時(4)同10時半(5)同11時(6)午後1時-の6パターン。いずれも7時間45分の勤務で、これに加え1時間の休憩時間を挟む。通常の勤務時間は午前8時半〜午後5時15分を基本としている。
 同課は、子どもの送迎をはじめ、街頭キャンペーンなど早朝の勤務、夜の住民説明会や有識者会議の対応、習い事など、幅広い場面で時差出勤を活用できると想定している。
 時差出勤は2015年度から、夏場に早出する「朝方勤務」として開始。17年度からは遅出を加え、時間帯や実施時期を順次拡大していた。大井川和彦知事から「いつでもどこでも仕事がしやすい体制に」との指示もあり、今回の大幅な変更となった。
 利用者のアンケートでは通年化を求める声が3割ほどあったといい、職員からは「夜の会議や早朝の仕事があるときに助かる」と歓迎の声が上がっている。
 同課は「これまでは時間外で対応していた早朝や夜の勤務も、時差出勤導入で集中力をより高めることができる。生産性を高めて行政サービスの維持向上につなげたい」としている。(黒崎哲夫)

本記事では、茨城県における時差勤務の取組を紹介。
「職員の勤務時間に関する条例」第2条により、「職員の勤務時間」は「休憩時間を除き」「4週間を超えない期間につき1週間当たり38時間45分」とし、同条例第3条第2項により「任命権者が」「月曜日から金曜日までの5日間において」「1日につき7時間45分の勤務時間を割り振る」*1ことが規定されている。本記事によると、「出勤時間」が「早出」では「午前7時」「同7時半」「同8時」の「3パターン」、「遅出」は「午前9時」「同9時半」「同10時」「同10時半」「同11時」「午後1時」の「6パターン」を設ける模様。各出勤時間後の勤務時間に関しては上記の通り、「1日につき7時間45分」*2となる。職員の「求める職場像」*3を踏まえた勤務時間の多様化とも整理ができそうな同取組。実際の採用状況は、要観察。

*1:茨城県HP(茨城県例規全集)「職員の勤務時間に関する条例」(昭和26年10月10日、茨城県条例第40号)

*2:前掲注1・茨城県(職員の勤務時間に関する条例)

*3:大谷基道「就職先としての自治体」『ガバナンス』No.204、2018年4月、24頁

月刊ガバナンス 2018年 04 月号 [雑誌]

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