東京都生活衛生同業組合連合会などは24日、小池百合子知事に受動喫煙防止条例案規制緩和を求める約18万人の署名を提出した。従業員の有無を基準にした飲食店への規制を見直し、経営者が喫煙、分煙、禁煙を店に表示して利用者が選べるようにすることを求めた。
 都は条例の骨子案を20日発表し、従業員を雇う飲食店を面積にかかわらず原則屋内禁煙にするとした。煙を遮る喫煙室を設ければ喫煙は可能だ。
 連合会は「零細飲食店は費用やスペースの問題で喫煙室を設置できず、全面禁煙にすれば客が離れ死活問題になる」などと見直しを求めた。条例の内容を巡り、業界団体から意見を聞く場を設けることも要望した。
 署名を受け取った小池知事は「飲食店の喫煙室整備も支援する。理解いただきたい」と語った。
 受動喫煙を巡っては、政府が健康増進法改正案を国会に提出済みで、客席面積100平方メートル以下の飲食店を例外としている。東京五輪を開く2020年の完全施行を目指す都の条例案は、国より規制が強い内容となっている。

本記事では、東京都における受動喫煙防止規制の取組を紹介。
2017年9月11日付同年11月28日付同年12月8日付2018年1月31日付同年2月22日付同年4月23日付の各本備忘録で記録した、同都による受動喫煙防止の条例制定の検討。2018年4月20日の「東京都受動喫煙防止条例(仮称)の骨子案」*1の発表に対して、本記事によると、同年4月24日には各種団体による「受動喫煙防止条例案規制緩和を求める約18万人の署名」が「提出」されたことを紹介。同書名は、「東京都生活衛生同業組合連合会」*2「東京都麻雀業協同組合」「東京都たばこ商業協同組合連合会」「一般社団法人日本たばこ協会」が「主催団体」となり「1月19日現在」「177,697筆」が集められており、「「受動喫煙防止の取組み」自体に反対するものではなく、「受動喫煙防止の取組み」を推進していくことは重要であると認識」のもと、「受動喫煙防止条例の検討にあたっては、都民や事業者の声に耳を傾け、慎重な議論がなされることを望」むこと、「お客様と事業者が「喫煙」「分煙」「禁煙」の店舗を自由に選択できる多様な社会を求め」ることが「要望」*3されている。
また、同署名では「国で健康増進法の改正が検討されている中」での、同「都独自の条例を法律に先行して制定した場合」に「二つの規制が輻輳することで」「多くの都民・訪日外国人・事業者の混乱を招くことも懸念」し「性急な条例制定は避けるべき」*4との認識が示されている。条例の具体化の過程における各種団体から「働きかけ」*5への対応状況は、要観察。

*1:東京都HP(都政情報報道発表これまでの報道発表 報道発表/平成30(2018)年 4月)「東京都受動喫煙防止条例(仮称)骨子案について」(2018年04月20日 福祉保健局)

*2:なお、同連合会の団体構成は、次の通り。東京都鮨商生活衛生同業組合、東京都麺類生活衛生同業組合、 東京都中華料理生活衛生同業組合、東京都社交飲食業生活衛生同業組合、東京都料理生活衛生同業組合、東京都飲食業生活衛生同業組合、 東京都喫茶飲食生活衛生同業組合、東京都食鳥肉販売業生活衛生同業組合、東京都氷雪販売業生活衛生同業組合、東京都理容生活衛生同業組合、 東京都美容生活衛生同業組合、東京都興行生活衛生同業組合、東京都ホテル旅館生活衛生同業組合、東京都簡易宿泊業生活衛生同業組合、 東京都公衆浴場業生活衛生同業組合、東京都クリーニング生活衛生同業組合

*3:東京都受動喫煙防止条例に関する署名活動の結果についてHP

*4:前掲注3・東京都受動喫煙防止条例に関する署名活動の結果について

*5:金井利之『行政学講義 日本官僚制を解剖する』(筑摩書房、2018年)226

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