仙台市は8月1日、財政局内の一部で、固定席を持たない「フリーアドレス制」の試行を開始する。職員間でのコミュニケーションを活発化させ、生産性の向上を目指す。
 導入により、職員1人が決められた机を使う固定席を廃止。従来の1.6倍広いテーブル形の机を2人で使い、席を自由に選ぶ。ノートパソコンなどの荷物は個人ロッカーに入れる。
 検討されている市役所本庁舎建て替え後の職場環境を見据えた取り組み。今回は建て替えで関係が深い財政局の本庁舎建替準備室、財政企画課、財政課の3課室5係で試みる。
 本庁舎4階の財政企画課と財政課は、課長と一般職員が対象。2課は公共施設の管理などに関する予算編成など、課を越えて行う仕事が多い。
 財政企画課の一部と6階の本庁舎建替準備室は、それぞれ部署内で席を変える「グループアドレス制」を導入する。
 自由に席を決めることで、関連する業務を担当する職員と隣同士で打ち合わせができる。他の職員とコミュニケーションが活発化し、課題や問題意識の共有が図られる。
 財政局長は局長室を出て、財政企画課などの部屋に移動する。局長室は倉庫や応接室として利用する。
 テーブルなどの購入費は約200万円。市は財政局内での効果を検証し、来年度以降、他部局への拡大を目指す。
 利(かが)大作・財政企画課長は「職員同士の交流を日常から深められるメリットがある。風通しが良く、創造性の高い職場づくりにつなげたい」と話す。

本記事では、仙台市における執務空間の取組を紹介。
同市では、2018年「8月1日」より「建て替え後の新庁舎における働く場」の「あり方」の「検討」を「行う」一環として、同市の「財政局事務室にフリーアドレス制を導入」し「新たな事務室づくりの試行を開始」*1。具体的な「試行対象」となる「部署」は、「財政局長室、局会議室、財政企画課、財政課」と「本庁舎建替準備室」*2
「試行の内容」は、まずは「事務室のレイアウト変更」として「分割・移動が可能な集合事務机の導入」と「固定席を廃止するフリーアドレス制の導入」*3が行われる。二つめは「会議の効率化・活性化」のため、「会議室へのディスプレイ」と「スタンディング用打合せスペース」を「導入」*4する。三つめは、「ペーパーレス化の更なる推進」のために「書類・資料の電子化」と「会議におけるディスプレイやPCの活用」*5となる。
「できるところから取組を始め、大きな目標は持ちながら、少しずつ小さな目標の達成を積み重ねていく」*6同取組。「フリーアドレス制」による個席なき「一所の執務空間」*7により「職員に働き方を考える」*8機会も提供しそうな同取組。執務スタイルの変化は、要観察。

*1:仙台市HP(市政情報市の概要市長室へようこそ市長記者会見市長記者会見 2018年度(平成30年度)一覧7月本庁舎事務室においてフリーアドレス制などの試行を開始します(発表内容))「本庁舎事務室においてフリーアドレス制などの試行を開始します(発表資料)

*2:前掲注1・仙台市(本庁舎事務室においてフリーアドレス制などの試行を開始します(発表資料))

*3:前掲注1・仙台市(本庁舎事務室においてフリーアドレス制などの試行を開始します(発表資料))

*4:前掲注1・仙台市(本庁舎事務室においてフリーアドレス制などの試行を開始します(発表資料))

*5:前掲注1・仙台市(本庁舎事務室においてフリーアドレス制などの試行を開始します(発表資料))

*6:総務省HP(組織案内研究会等地方公共団体の職場における能率向上に関する研究会)「地方公共団体の職場における能率向上に関する研究会報告書―ワークスタイルを変革する10のワークプレイス改革―」(地方公共団体の職場における能率向上に関する研究会、平成24年3月)34頁

*7:大森彌『官のシステム』(東京大学出版会,2006年)73頁

官のシステム (行政学叢書)

官のシステム (行政学叢書)

*8:公共R不動産編『公共R不動産のプロジェクトスタディ: 公民連携のしくみとデザイン』(学芸出版社、2018年)184頁

公共R不動産のプロジェクトスタディ:  公民連携のしくみとデザイン

公共R不動産のプロジェクトスタディ: 公民連携のしくみとデザイン