野田聖子総務相は11日午前の閣議後記者会見で、ふるさと納税で返礼品の調達価格を寄付額の3割以下とするなどとした通知を受け入れない自治体について、制度の対象外にできるよう見直しを検討すると発表した。また、総務省は同日、自治体の返礼品に関する1日時点の実態調査結果を公表。通知に沿って対応するよう改めて促した。
 返礼割合が3割を超えているのは246市町村。地場産品でない品物を返礼品としているのは190市町村だった。返礼品競争の過熱を受け、総務省は返礼割合を3割以下とし、原則地場産品とするよう通知したが、依然として対応を改めない自治体があることが浮き彫りになった。
 総務省は、通知では限界があるとみて、より強い措置を検討する。通知を守らない自治体をふるさと納税の対象から外し、寄付者がこれらの自治体に寄付をしても住民税などの控除を受けられないようにする方向。年末の与党税制調査会の議論を踏まえ、来年の通常国会地方税法改正案を提出、早ければ4月からの適用を目指す。

本記事では,総務省におけるふるさと納税に関する現況調査の結果と取組方針について紹介。
同省の調査結果によると,「返礼割合3割超」の自治体は「減少してい」いるなか,2018年「9月1日時点」で「246」自治体,「全体の14%」*1となる。また,同調査では「地場産品以外」と「考えられる返礼品」を用いている「235」自治体のうち,「190」自治体は「見直しが完了していない状況」*2も紹介。同調査結果を踏まえて,同省では「制度の趣旨を歪めているような」自治体は「ふるさと納税の対象外にすることもできるよう」に「制度の見直しを検討する」*3方針を提示。「さまざまな使途を掲げて寄付を募る」*4同制度の取組。制度改正後の使途の状況も,要観察。

*1:総務省HP(広報・報道報道資料一覧2018年9月ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果(平成30年9月1日時点))「ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果 (平成30年9月1日時点)」(平成30年9月11日 自治税務局市町村税課),1頁

*2:前掲注1・総務省ふるさと納税に係る返礼品の見直し状況についての調査結果 (平成30年9月1日時点)),4頁

*3:総務省HP(広報・報道大臣会見・発言等)「野田総務大臣閣議後記者会見の概要(平成30年9月11日)

*4:沼尾波子「自治体の税財政 制度と予算」幸田雅治編『地方自治論 変化と未来』(法律文化社,2018年)173頁

地方自治論: 変化と未来

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