川崎市は、ごみ収集用の電気自動車(EV)の運用を来年二月から始める。ごみの焼却に伴う発電を活用し、充電した電池を収集車に搭載する仕組みだ。実用化は日本で初めて。この収集車は二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)を排出せず、災害時の非常用電源として避難所の照明などにも利用できるという。 (石川修巳)
 市によると、EVごみ収集車は、川崎区塩浜の南部生活環境事業所に二台配置され、区内で使われる。電池の容量は四十キロワット時で、フル充電により六十キロ走行できる。
 ごみ処理施設の浮島処理センター(川崎区浮島町)に、専用の電池ステーションを設置。ごみの焼却で得られた電気をステーションに送って電池を充電し、収集車がそこに立ち寄って電池を交換する。
 市環境局の担当者は「車内からボタンを押すと、約三分で電池を自動交換できるため、効率的な作業が可能」と説明する。他自治体からの問い合わせも多いという。
 市は二〇一六年三月〜一七年二月、JFEエンジニアリングとともにEV収集車の実証試験を実施。災害時の非常用電源になるのも特徴で、一六年八月に多摩区で行った防災訓練で、携帯電話の充電や照明などに活用した。
 市は「エネルギー循環型ごみ収集システム」の事業費として、約六千万円を本年度予算に計上。担当者は、今後の追加導入に関して「来年二月からの稼働状況を見ながら検討する」と話している。

本記事では,川崎市におけるごみ収集車の取組を紹介。
同市では,2018年3月に「包括的な連携・協力に関する協定書」*1を締結。同協定では,同市を「フィールドとした,EV ごみ収集車の開発及び活用に向けた協働による事業モデルの推進」が「連携事項」*2とされている。本記事では,2019年「2月から」「ごみ収集用の電気自動車」の「運用」を開始すること紹介。「メイテナンス」*3の状況も要観察。

*1:川崎市HP(市政情報市長の部屋記者会見平成30年記者会見2018年(平成30年)3月9日会見)「 三菱ふそうトラック・バス株式会社と川崎市との包括的な連携・協力に関する協定の締結について

*2:前掲注1・川崎市三菱ふそうトラック・バス株式会社と川崎市との包括的な連携・協力に関する協定の締結について)2頁

*3:藤井誠一郎『ごみ収取という仕事 清掃車に乗って考えた地方自治』(コモンズ,2018年)109頁

ごみ収集という仕事: 清掃車に乗って考えた地方自治

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