目黒区は11月から、園庭のない保育園の園児たちが外遊びに行く際の専用の送迎バスを運行する。名づけた愛称は「ヒーローバス」。12月末まで、送迎バス事業費を支援するガバメントクラウドファンディングを、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で実施している。
 公立の認可保育園には基本は園庭があるが、都市部の私立園では十分な広さの園庭がないところも多い。区では35ある私立園のうち28園で園庭がなく、近くの公園などを利用している。
 外遊びをするのは3歳以上の園児。子どもの足では往復に時間がかかったり、他の園が使っていたりして十分に遊べない場合も多いという。
 ヒーローバスでは、私立園や認証保育所から利用希望を聞き、都立駒沢オリンピック公園や区立中目黒公園など広い公園に子どもたちを送り届ける。
 区は本年度当初予算に車両のリース料や運行管理の業務委託として640万円を計上。クラウドファンディングでは、来年度からの事業の本格実施で複数台のバス運行を見込み、1000万円を目標に寄付を募っている。区保育施設整備課の担当者は「社会全体で子育てを応援する機運をつくりたい」と話している。
 詳細はふるさとチョイスのウェブサイトで。寄付者に返礼品はなく、お礼のメッセージが届く予定。 (神谷円香)

本記事では,目黒区における幼児専用車の取組を紹介。
同区内で運営されている「35か所」の「私立認可保育園」では「敷地面積等の関係から」「8割に相当する28か所には十分な広さの園庭が」ないなか,「園庭のない保育園の子どもたちが元気に戸外で遊べる」ように,小規模の「バス」*1を運行を予定としている。同バスは,「1日」あたり「3園」を利用した場合,「1日」の「運行」で「3万円程度の経費がかか」り,「保育園1園当たり1万円の費用が必要」と「試算」*2されている。同区では,本記事で紹介されている通り,「寄付金」により同費用を集め,「子ども・子育て応援基金」に「積み立てながら」「活用」*3する方針が示されている。「個人や団体から」*4の寄付の状況は,要観察。

*1:目黒区HP(くらし・手続き子育て・保育)「「園庭のない保育園の子どもたちを応援する事業」への寄付を受け付けています

*2:前掲注1・目黒区(「園庭のない保育園の子どもたちを応援する事業」への寄付を受け付けています)

*3:前掲注1・目黒区(「園庭のない保育園の子どもたちを応援する事業」への寄付を受け付けています)

*4:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣、2017年)90頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

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