地方自治体での障害者雇用の水増し問題を巡り、厚生労働省は22日、都道府県や市町村、各都道府県の教育委員会などで、国の指針に反して不適切に計上されていたのは2017年6月時点で約3800人と発表した。全体の雇用率は2.40%だったが、水増し分を除くと2.16%に減少し、当時の法定雇用率を下回る。
今回の数値は法定雇用率の計算に基づく人数で、短時間勤務の人を「0.5人分」と計上するなどしており、実人数とは異なる。
水増し分の内訳は都道府県の教育委員会が2359.0人で最も多く、都道府県(警察や病院など含む)が681.5人、市町村が769.0人だった。
当時の法定雇用率は都道府県と市町村が2.3%、教委が2.2%だったが法定雇用率を下回る自治体も多く、厚労省総務省とも連携し、各自治体に早期の雇用率達成を促す。
厚労省は、国立大学法人を含む独立行政法人での障害者雇用の状況の再点検結果も公表し、不適切計上が52.5人おり、障害者雇用率は2.40%から2.38%となった。

本記事では,政府における自治体による障害者の任免状況等の再点検結果の紹介。
厚生労働省が実施した「都道府県の機関、市町村の機関、都道府県等の教育委員会及び独立行政法人等における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況等の再点検」*1。同再点検の結果,自治体に在職する「障害者数」は「49,689.0人から3,809.5人減 少して45,879.5人」,これにより「実雇用率」が「 2.40%から 2.16%」となり,「不足数は 677.0人から 4,667.5人」*2となる。内訳としては,まず「都道府県の機関」では「都道府県 知事部局」が「2.42 %」,「その他の都 道府県機関」は「2.16 %」,「市町村の機関」は「2.29%」,そして「都道府県教育委員会」では「1.83 %」,「市町村教育委員会」は「2.01%」*3となる。「再点検結果」,「知事部局,教育委員会ともに「実雇用率の増減」がない都道府県は,「北海道」「東京都」「福井県」「京都府」「大阪府」「鳥取県」「山口県」「福岡県」となる。今後の「実雇用率」への「応答」*4状況は,要観察。

*1:厚生労働省HP(報道・広報報道発表資料2018年10月都道府県の機関、市町村の機関、都道府県等の教育委員会及び独立行政法人等における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況等の再点検結果について)「都道府県の機関、市町村の機関、都道府県等の教育委員会及び独立行政法人等における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況等の再点検結果について

*2:前掲注1・厚生労働省都道府県の機関、市町村の機関、都道府県等の教育委員会及び独立行政法人等における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況等の再点検結果について)1頁

*3:前掲注1・厚生労働省都道府県の機関、市町村の機関、都道府県等の教育委員会及び独立行政法人等における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況等の再点検結果について)2頁

*4:西尾隆『公務員制』(東京大学出版会、2018年)85頁

行政学叢書11 公務員制

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