京都市は31日、観光名所の嵐山で、観光客のスマートフォンスマホ)をセンサーで捕捉し、予測される混雑状況をインターネット上の地図で表示するシステムの実証実験を11月10日から始めると発表した。紅葉シーズンに急増する観光客を分散化する狙いで、全国初の取り組みという。
 実験では、渡月橋や竹林の小径こみちなど8か所に、公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」が作動しているスマホを探知するセンサーを計13台設置し、観光客らの概数を把握。特設のウェブサイト「嵐山快適観光ナビ」(https://arashiyama.fun)の地図上で、時間ごとに予測される観光客数を青色の円で表示する。人出が多いほど円が大きくなり、混雑がひどくなると赤色に変わる。英語版もあり、快適な周遊ルートを提案する機能もつける。
 実験は国土交通省と市が協力し、12月17日まで行う。市によると、2012年のロンドン五輪パラリンピックでは、同様の手法で混雑状況の情報がネットで発信され、市民の通勤や通学の混雑回避につながったという。担当者は「効果が確認できれば、市内のほかの観光地での導入を検討したい」と話している。

本記事では,京都市における観光客分散化の取組を紹介。
同市では,「観光客の急増による影響が深刻な課題となる」「いわゆるオーバーツーリズム問題」への対応として,「スマートフォン等のWi-Fiアクセスデータを活用し」,「特定の日時・スポット」の「観光客」の「量」を「把握」し,「観光客が訪問したい日時・スポット」の「快適に観光できる度合」である「観光快適度」を「予測」し,「ウェブサイト」「上で観光快適度」の「見える化*1の実証実験を開始する予定。実施期間は,2018年「11月10日」から同年「12月17日」*2まで。掲載される情報は「嵐山地域の各エリアの観光快適度」,「各エリアの観光快適度を踏まえたおすすめ観光ルート」,「各エリア周辺の観光スポット」*3となる。同システムを通じた混雑の「制御」*4状況は,要観察。

*1:京都市HP(観光・文化・産業観光広報資料・お知らせ)「嵐山地域における観光快適度の見える化による分散化実証事業の実施について

*2:前掲注1・京都市([嵐山地域における観光快適度の見える化による分散化実証事業の実施について)

*3:前掲注1・京都市([嵐山地域における観光快適度の見える化による分散化実証事業の実施について)

*4:森田朗『新版 現代の行政』(第一法規,2017年)144頁

新版 現代の行政

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