松本市は十五日、公共の場所での受動喫煙防止を目指す「市受動喫煙防止に関する条例」(仮称)の骨子案を、市たばこ対策推進協議会の会合で提示した。事業者の環境整備の責務を定め、市民の歩きたばこの全面禁止と受動喫煙防止への配慮を盛り込んだ。
 市は、二〇一三年にJR松本駅のお城口前広場を禁煙区域としたが、区域外での対策は進んでいない。自治体の努力義務を定めた改正健康増進法が二〇年四月に全面施行されることから、対策強化に乗り出した。
 市たばこ対策推進協議会は、市内の医師や経済団体、市民代表ら十五人で構成。この日の会合では、受動喫煙防止区域で喫煙した場合に巡回指導員が二千円以下の科料を徴収する京都市の事例などを基に、罰則規定の必要性を議論した。
 事前に行った委員へのアンケートでは、罰則規定に賛成が九人、反対が四人、その他が三人だった。この日は「罰則がなくても効果はある」「なくては条例の意味がない」「科料などに幅を持たせるべきだ」「施行後段階的に定めてはどうか」などの意見が出た。
 市は、今月下旬から一カ月間のパブリックコメントやその後の協議会での意見を踏まえ、市議会二月定例会に条例案を提出、来年度の施行を目指す。(川添智史)

本記事では,松本市における受動喫煙規制の取組方針を紹介。
同市では,同取組の一環として,現在,「周知・啓発の推進」,「家庭や職場等での受動喫煙の防止」,「青少年へのたばこの害に関する教育の強化」,「禁煙へ導く各種体制の充実」の「4つの基本施策」*1を実施。これらのうち「周知・啓発の推進」の具体策として,2013年「12月」より「松本駅お城口広場」を「受動喫煙防止モデル地区」*2に指定。本記事によると「歩きたばこの全面禁止と受動喫煙防止への配慮」を規定した「「市受動喫煙防止に関する条例」(仮称)」の「骨子案」を取りまとめた模様。「対策実積」*3を踏まえた規定内容は,公表後,要確認。

*1:松本市HP(健康・福祉のお知らせ健康づくり受動喫煙防止対策)「受動喫煙防止対策「タバコと向き合う松本スタイル あたり前の禁煙へ」」

*2:前掲注1・松本市受動喫煙防止対策「タバコと向き合う松本スタイル あたり前の禁煙へ)

*3:松井望「課題設定と自治政策法務」北村喜宣・山口道昭・礒崎初仁・出石稔・田中孝男編『自治政策法務の理論と課題別実践 鈴木庸夫先生古稀記念』(第一法規,2017年),280頁

自治体政策法務の理論と課題別実践-鈴木庸夫先生古稀記念

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