豊田市が採用試験簡略化 基礎能力と面接、集団討論(中日新聞2019年1月8日) 

 豊田市は今年四月以降に実施する職員採用試験を簡略化する。教養試験や職種ごとの専門試験を廃止し、民間企業で広く利用されている基礎能力試験と面接、集団討論に絞る。この三つだけの採用試験は県内の自治体で初めてという。

 七日の定例会見で太田稔彦市長が発表した。民間企業との併願を促し、倍率低下に歯止めをかけ、多様な人材を確保するのが狙い。基礎能力試験は「SPI」と呼ばれ、全国で民間企業約一万二千六百社が採用している。豊田市は一八年に試行したところ、教養試験などから置き換えても内定者の能力に大差ないことが確認できたため、正式導入を決めた。

 採用数が四十人程度と最多の行政事務職の場合、二〇一七年は最多で三次試験まであり、六日間で三回の面接と五種類の試験が課されていた。簡素化により、拘束日数は二、三日程度に減るという。

 豊田市によると好況を背景にした民間企業の採用強化などにより、行政事務職の志願者は一六年が七百六十六人、一七年は五百九十七人、一八年が四百十六人と年二~三割のペースで減少している。太田市長は「受験生の負担を軽減し、優秀な人材を確保する必要がある」と簡略化の理由を話した。

 (久野賢太郎)

本記事では,豊田市における職員採用の取組を紹介。

同市では,「2020年4月採用」となる「2019年度」の職員採用試験から,従来,実施してきた「プレゼンテーションと面接を中心とするA日程試験」と「教養試験又は専門試験」による「公務員試験」を「中心」とした「B日程試験を一本化」を行い,「社会,人文及び自然に関する一般知識,並びに職種ごと」の「専門知識に関する記述式試験を廃止」し,「SPI検査」を「本格導入」*1となる。

「受験者の負担軽減等をねらい」*2とした同取組。 採用後の「能力開発」*3の状況は,要観察。

 

*1:豊田市HP(市政情報 : 職員採用 )「平成31年度豊田市職員採用試験情報

*2:豊田市HP(市長の部屋 : 市長記者会見2019年1月7日(月曜日)市長記者会見)「より多くの人が挑戦可能となる豊田市職員採用試験の簡略化について

*3:礒崎初仁・金井利之・伊藤正次『第3版 ホーンブック地方自治』(北樹出版,2014年)218

ホーンブック 地方自治[第3版]

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