■高浜市もAI活用ケアプラン導入へ(中日新聞2019年1月16日) 

 「福祉でまちづくり」を掲げてきた高浜市が、人工知能(AI)を使った介護サービス利用計画(ケアプラン)を今夏に導入する方針を固めた。

 二〇一九年度の主要施策のひとつで、介護にかかわる人材不足の解消や質の向上を目指す。市は、新年度当初予算案へ関連事業費を盛り込む。

 市は、過去の膨大なケアプランを学習したAIを活用することで、経験が浅くても、ベテランのように質の高いプランを提案できるようになることに着目した。市は、質の高いプランが作成できれば、利用者の症状が重くなるのを防ぎ、社会保障費の抑制にもつながるとみている。

 利用するのは介護ベンチャー「シーディーアイ」(東京)が開発したサービス。二年前から豊橋市などで行った実証実験で蓄積した四十万件以上のケアプランから、利用者の条件に応じて最適な三件を選び出す。これに基づき、ケアマネジャーが最適なプランを提案する。

 同社によると、サービスは現在、豊橋市茨城県岡山市が利用しており、高浜市は全国の自治体で四例目。人口数万人の小規模自治体による導入は例がないという。

 市は昨年三月に第七期市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定。介護人材の育成と確保を、市内の事業所を含めた市全体の課題と位置付けた。市は、七月から九カ月間市内の事業者で試行し検証も行う。吉岡初浩市長は「利用者が効率よく適正なサービスを受けられるようになることを期待している」と話した。(福沢和義)

本記事では,高浜市における介護サービス計画策定の取組方針を紹介。

「ケアマネージャーが」,「本人と家族の希望を入れ」「いろいろなサービスを組みあわせ」ながら「認定結果に応じて定められたサービス限度額の範囲内」で作成される「介護サービス計画」*1。本記事によると,同市では,「人工知能(AI)」を活用し,「実証実験で蓄積した40万件以上のケアプラン」をもとに「利用者の条件に応じて最適な3件を選び出」し,「これに基づき,ケアマネジャーが最適なプランを提案」する取組を行うための予算案が計上された模様。

「利用者や家族への提案するケアプラン」の「幅」*2が期待される同取組。導入後の提案状況は要観察。

*1:高浜市HP(各グループのページ:介護保険・障がいグループ)認定申請からサービス利用まで

*2:稲継裕昭『AIで変わる自治体業務 残る仕事、求められる人材』(ぎょうせい,2018年)143頁

AIで変わる自治体業務―残る仕事、求められる人材

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