東京・多摩市の業務効率化 インテックが実証実験 (日本経済新聞2019年3月10日)

 TISインテックグループでシステム開発大手のインテック(富山市)は東京都多摩市と連携し、業務効率化に向けた実証実験を始めたと発表した。7月末まで光学式文字読み取り装置(OCR)と定型的な業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)を市役所の一部業務に導入。実験で得たノウハウを生かして行政分野の需要を開拓する。

 住民税や子育て関連の業務で実験を始めた。保育園に入所するためには希望者が勤め先から証明書をもらう必要があるが、会社によって書式が異なるため職員のデータ入力の負担が大きかった。OCR技術を使えば申請書の内容を自動で入力できるようになる。

 米RPA大手のUiPath(ユーアイパス)の日本法人と連携し、同社の技術を生かしたRPAによる各種ファイル管理も検証する。インテックの担当者は「多摩市との協力で得た知見を生かして全国の市町村で業務効率化関連の受注を目指したい」と話す。

 昨年、TISインテックグループのアグレックス(東京・新宿)が多摩市に拠点を開設したことをきっかけに今回の実証実験が決まったという。

 本記事では,多摩市における業務効率化の取組を紹介。
同市では,「特定の時期に膨大な定型作業が発生する」ことで「長時間勤務や生産性低下の一因」であると捉えて,「定型作業」「最新のICT技術」により「自動化」することで,「業務の効率化や正確性の向上,時間外勤務の削減等」を目指し,同社と「公民連携事業」*1として同事業を実施。
具体的には,「2019年」「3月~7月」の間で,「住民税関連業務」を「RPAと AI-OCRの組み合わせによる実験」,「児童手当関連業務」を「RPA単体による実験」,「保育園入所申請書入力業務」を「RPAとOCRの組み合わせによる実験」*2を実施する。
同取組を通じた「膨大な量の単純作業」の「代替」*3化の結果は,要確認。

*1:多摩市HP(事業者の方へ:公民連携:新たな取り組み)AI-OCR、RPA導入に向けた実証実験

*2:前掲注1・多摩市(AI-OCR、RPA導入に向けた実証実験)

*3:稲継裕昭『AIで変わる自治体業務 残る仕事、求められる人材』(ぎょうせい,2018年)65頁

AIで変わる自治体業務―残る仕事、求められる人材

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