たばこ税で「健康づくり基金」 埼玉県 (日本経済新聞2019年4月2日)
 埼玉県はたばこ税を活用した「健康づくり安心基金」を創設した。たばこ税収入額の5%相当額を積み立て、健康分野の施策に活用する。2020年の東京五輪パラリンピック開催に向けて受動喫煙防止対策を強化するほか、がん対策の事業も始める。

 19年度から、従業員のがん検診の受診率向上に取り組む企業を支援する。特に受診率が低い40歳代の従業員の受診者を増やすと、成果に応じて1人当たり2000円の補助がもらえる。受動喫煙の防止に積極的に取り組む飲食店などを県独自に認証する新制度も設ける。上田清司知事は2日の記者会見で「民間を巻き込み、病気予防や健康増進に取り組む」と話した。

 19年度のたばこ税収入額は約74億円(見込み)。たばこ一箱(20本入り)のうち1本分が基金に充てられるという。埼玉県は高齢化に備え、県民の健康増進を促す事業に力を入れている。上田知事は「予算は今ある危機によく使う傾向にある。基金の創設で今後予想される危機にも対応する」と強調する。歩いた歩数に応じてためたポイントで商品が当たる「健康マイレージ」など既存事業にも基金を活用する。

本記事では,埼玉県における基金の積立の取組を紹介。
同県では,同県の「県民の健康のための事業に活用」することを目的に,「県たばこ税収入額の5%相当額」を「基金*1化を開始。同基金は,「がん検診受診率向上」「働くがん患者のワンストップ相談」「受動喫煙防止対策」*2,「糖尿病重症化予防」*3,
「健康長寿埼玉プロジェクト」*4への活用が予定されている。「将来世代」*5にも向けた用途の状況は,要観察。
 

*1:埼玉県HP(県政情報・統計:広報  知事の部屋  定例記者会見 平成31年 :知事記者会見テキスト版 平成31年4月2日」「健康づくり安心基金の創設~たばこの健康への影響~」2頁

*2:前掲注1・埼玉県(健康づくり安心基金の創設~たばこの健康への影響~)3頁

*3:前掲注1・埼玉県(健康づくり安心基金の創設~たばこ の健康への影響~)4頁

*4:前掲注1・埼玉県(健康づくり安心基金の創設~たばこ の健康への影響~)5頁

*5:沼尾波子・池上岳彦・木村佳弘・高端正幸『地方財政を学ぶ』(有斐閣、2017年)69頁

地方財政を学ぶ (有斐閣ブックス)

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