長久手の“未来図”完成 市の総合計画、市民の計画盛り込む(中日新聞2019年5月9日)

 

長久手市の二〇一九年度からの十年間のまちづくりの指針となる「ながくて未来図(第六次市総合計画)」が三月末、完成した。制作には延べ四千人以上の市民が関わり、行政とは別に市民によるまちづくり計画も盛り込むなど、異色の内容となっている。

 長久手市は〇五年の愛・地球博リニモ開通を契機に発展し、一九六九年当時で一万人程度だった人口は現在、五万人超に増加。市はこれを楽観せず、いずれ到来する人口減少と少子高齢化に備えるために、行政主導から市民と行政の協働によるまちづくりへの転換の方針を打ち出している。

 ながくて未来図は、まち全体の将来像や政策などを示す「基本構想」と、その実現のための具体的な手段にあたる「基本計画」、基本計画で挙げた施策に関連付く事業行程をまとめた「アクションプラン」の三つの階層で構成する。

 基本構想では、「幸せが実感できる共生のまち長久手~そして、物語が生まれる~」という将来像を設定。それに基づいて「人づくり」や「子ども」といった七分野を設け、それぞれの基本目標の説明において物語の型式を採用するなど、従来と比べて読みやすさにも配慮している。

 未来図の基本構想と、市民が取り組む「市民アクション」に市民が関わった。

 市民アクションは、市民をはじめ市内の学校に通う高校生や大学生がまちづくりのアイデアを競った二〇一八年の「学生まちづくり甲子園」を皮切りに、計画を試験的に実践する取り組みなどを通して作成。最終的に市民グループが考えた十の事業をまとめた「市民まちづくり計画」の冊子が出来上がり、そのデザインや構成も市民が手掛けている。

 七日には市民アクションに関わった同市塚田の会社員野田久徳さん(45)と、名古屋学芸大四年の秋山隼大さん(21)が、市役所を訪れ、吉田一平市長に市民まちづくり計画の冊子を手渡した。

 「『楽しそう、やってみたい』と思えて、市民が読み切ることができる冊子にしようと心掛けた。市民参加のハードルを下げたい」と秋山さん。野田さんも「作っておしまいではなく、自走化させるのが大事。計画の存在を周知して仲間を増やしていきたい」と意気込む。

 吉田市長は「総合計画は一番大事なのに市民にほとんど知られていない」と現状を指摘。「まちづくりはエンドレスで、たくさんの市民が関わることが大切。(未来図も市民アクションも)子どもたちにも手に取れるようにしたい」と話した。

 市は、十一日午後二時から、市福祉の家で、未来図について気軽に語り合う催し「フューチャーセッション」を開く。要申し込み。(問)市経営企画課=0561(56)0600(吉本章紀)

本記事では,長久手市における総合計画の取組を紹介.

同市では,同計画の策定において,「2018年度から」,「市民で取り組みたいことを」「ワークショップやワークショップで出たアイディアを実践」する「取組」を実施し,同計画にあわせて「10」の「市民で取り組みたいこと(=市民アクション)」を「市民まちづくり計画 まちを育てるアクションブック」*1としてまとめている.

同「市民まちづくり計画」は,「10チームの市民アクション」が「仲間を増やしたり,新たな市民アクションをつくったり」する「中で」「知り合い,つながることで」,同「計画」を「育てていく」ことを「目指」す,「ずっと未完成の計画」*2として位置付けられている.

「自らが公共サービスの担い手となる」*3なる同計画の取組.計画に基づく取組状況は要確認。