小池知事 区市町村長と個別会談 知事選へ関係構築の布石?(東京新聞2019年9月20日) 

 小池百合子都知事が、都内の区市町村長に一人ずつ会い、政策要望などを聞く会談が十九日、都庁で始まった。十月二十一日まで。知事による全首長との個別会談は異例。各首長には小池都政の評価に温度差もあり、来夏に都知事選を控える中、関係を構築しようとの狙いもあるとみられる。

 十九日は千代田区の石川雅己区長と檜原村の坂本義次村長、神津島村の前田弘村長で、小池知事は一人二十分ずつ、少子高齢化や環境、観光などの施策で意見を交わした。

 坂本村長は、村産の木材について「都立高校などでの使用拡充と、災害時の木造仮設住宅の導入を検討してほしい」と要望。小池知事は「多摩産材を活用しつつ、木材の利用が環境の面でも、中山間地を守る防災の面でも重要と示していく」と答えた。

 都によると、意見交換は例年二月ごろグループで行われているが今年は年内をめどに「長期戦略ビジョン」を取りまとめるため、意見を詳しく聞く必要があると判断。時期をずらして個別に行うことにした。全六十二区市町村に呼び掛けたが杉並区は辞退する意向を示している。

 小池知事は個別会談の狙いを十三日の記者会見で「長期戦略を描く中で、都民に一番近い首長から意見を聞きたい」と説明。知事選に向けた布石との指摘については「当たらない」と否定している。 (岡本太)

本記事では,東京都における長期計画策定の取組を紹介.

同都では,「各区市町村における取組や課題等」を「伺い」,2020年「内を目途に策定する長期戦略ビジョンやその後策定する長期戦略,施策・事業の検討に活かしていく」ことを目的に,「知事が区市町村長との意見交換」*1を実施.2019年「9月19日」から「10月21日」の18日間で1自治体当たり「20分程度」で開催.

都知事と各区市町村長の「二項系」*2で開催される同意見交換.会議の内容は,要経過観察.

 

 

*1: 東京都HP(都政情報 :都政 : 組織情報 : 東京都の組織・各局のページ総務局行政部)「知事と区市町村長との意見交換の実施について」(令和元年9月12日 総務局)

*2:金井利之「国・自治体間の合意形成の構造」金井利之編著『縮減社会の合意形成 人口減少時代の空間制御と自治』(第一法規,2019年)198頁

 

縮減社会の合意形成-人口減少時代の空間制御と自治-

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