神戸市が大卒の通年募集枠 ウェブ面接も導入 (日本経済新聞2020年10月22日)

 神戸市は22日、2021年秋の採用試験から通年募集枠を設けると発表した。海外留学や研究活動などで通常の就活活動ができない学生らにも門戸を開く。社会人向け中途採用も年2回に増やし、ウェブ面接も導入する。応募しやすくして民間企業や他の自治体との人材獲得競争に備える。

  自治体の新卒採用は春の一括採用が中心で、大卒などを対象に通年募集するのは全国初。22年4月入庁が第1号となる。社会人になって3年程度で転職する「第二新卒」や大学院卒も対象とする。法律知識など公務員試験で必要だった項目がなくなり、基礎能力を調べる適性検査などで選ぶ。申し込みは年間を通して受け付け、最終試験は年4回を想定。採用時期は4月か10月となる。

  通年募集枠の2次試験で導入するウェブ面接は全国から参加しやすくするほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮した。

  久元喜造市長は22日の会見で「留学や別の活動をしていた人の中には、優秀な人材が必ずいる。間口を広げ、多様な人材を獲得したい」と語った。

  神戸市は同日、学生の短時間雇用も始めると発表した。市内に在住または在学する大学生らが対象。市役所の仕事に関心を持ってもらう狙い。30人程度を11月下旬以降から採用し、1週間あたり9時間程度の勤務を想定。学生からの意見を職場環境の改善につなげる狙いもある。

本記事では、神戸市における職員採用の取組を紹介。

同市では「人材獲得競争が激化する中」「幅広く求める人材を確保する」目的から、2021年度より「年間を通じて募集を行う」「通年募集枠」を「新設」*1。また、「社会人採用試験」を、従来「秋(9月~)のみ実施していた試験」を「春(4月~)」にも「実施」、さらに「採用時期」を「これまで4月に限定していた」ところ、「特別枠」「通年募集枠」「社会人(春)」は「4月・10月の2回に変更」*2する。さらに「一部試験の第1次試験で実施」してきた「適性検査」を「会場実施に代わり」「テストセンター方式」を「導入」、「一部試験」では「WEB面接を試行的に導入」*3する予定もある。

「異なる方法で採用、育成された職員が、公務内外での経験に応じて業務を分担するという、多様性を前提とした新たな関係性」*4での人事運用状況は、要観察。

*1:神戸市HP(市政情報 : 記者発表資料 : 記者発表2020年10月 )「withコロナ時代に対応した神戸市人材獲得戦略

*2:前掲注1・神戸市(withコロナ時代に対応した神戸市人材獲得戦略

*3:前掲注1・神戸市(withコロナ時代に対応した神戸市人材獲得戦略

*4:出雲明子「都市自治体職員の確保と人材育成」公益財団法人日本都市センター編『人口減少時代の都市行政機構(第6次市役所事務機構研究会報告書)』(公益財団法人日本都市センター、2020年)176頁