「最も駅遠の区役所」返上へ 江戸川区役所が船堀に移転」(日本経済新聞2021年1月15日) 

 東京都江戸川区は区役所を都営新宿線船堀駅近くに移転する。駅北側の都有地と周辺の民有地を一帯で再開発して新庁舎とする。現庁舎は老朽化が進む上、23区の庁舎で鉄道駅から最も遠いなどアクセス面にも問題があった。2028年度の移転を目指して計画を進める。
 区の有識者会議が15日に新庁舎建設の基本計画を斉藤猛区長に提出した。計画によると、区立の複合文化施設「タワーホール船堀」に隣接する1万1000平方メートルの都有地を区が買い取り、周辺の10棟ほどの民間の建物と合わせて再開発。区庁舎と民間の再開発ビルを建設する。敷地の取得費用は現時点では未定。建物を中低層とするか高層とするかも今後詰める。

 現庁舎は新庁舎予定地の2.5キロメートルほど北方にある。最も古い建物は約60年前に完成。人口増につれて建て増しを重ね、一部は民間のビルを賃借する。老朽化で維持管理費がかさむほか、耐震性不足やスペース不足が問題となっている。また最寄りのJR新小岩駅葛飾区)からバスで10分、徒歩だと20分近くかかる。23区の本庁舎は19区が駅から徒歩5分以内に立地する中、江戸川区役所は最も駅から遠い庁舎だった。

本記事では、江戸川区における新庁舎移転の取組を紹介。

同区では、2021年「1月15日」に「第12回」新庁舎建設基本構想・基本計画策定委員会が開催され、「基本構想・基本計画の確認・まとめ」とともに「区長への提言」*1が行われた模様。

第11回の同委員会の配布資料(「江戸川区新庁舎建設基本構想・基本計画 (案)」)によると、同区では「昭和37年に本庁舎南棟を建設して以来」「行政事務の拡大」に伴い「増築を重ね」「さらには周辺の民間建物を賃借」*2している状況にある。

「7つの課題」*3のうち、「交通の利便性」では、「板橋区」「文京区」「大田区」「杉並区」「豊島区」が、最寄駅から「徒歩1分」、「中央区」は「徒歩2分」、「中野区」は「徒歩3分」、「荒川区」は「徒歩4分」、「千代田区」「港区」「新宿区」「台東区」「品川区」「練馬区」「北区」「目黒区」「江東区」「世田谷区」「墨田区」が「徒歩5分」、「葛飾区」が「徒歩8分」、「渋谷区」が「徒歩11分」、「足立区」が「徒歩12分」のなか、「江戸川区」は「新小岩駅 からバス10分」*4である現状を課題として提示。

「新庁舎の建設用地」は「都営新宿線船堀駅から徒歩3分」*5の予定。「駅前」*6に連なる新庁舎の設置状況は、要観察。