お役所の「上から目線」直します 相模原市「対応日本一」目指してマニュアル改訂(東京新聞2021年6月24日)

 相模原市は、職員の市民への適切な対応をまとめたマニュアルを19年ぶりに改訂した。市幹部は「役所には上から目線と指摘される旧態依然とした体質がまだある」と自戒。人口減少に伴い自治体間競争が激化する中、“脱役所”の感覚で、「お客さま対応日本一」のまちを目指す。(曽田晋太郎)
◆話を聞く時は「うなずき」
 改訂版の名称は「接遇マニュアル」。接遇は「もてなし」の意味を持つ。20~40代の職員16人が、企業関係者やマナーの専門家の助言を受けながら、5月に完成させた。
 「ネイルは派手すぎませんか」「マスクは正しく着用していますか」。マニュアルにはまず、身だしなみのチェック項目を掲載する。市のマニュアル作成担当者は「第一印象の重要さは言うまでもないが、新型コロナウイルスの影響で他人との接触を控える人が多い中、顔を合わせる機会を大切にしたい」と説明する。
改訂したマニュアルを手に「接遇日本一を目指す」と意気込む相模原市職員
改訂したマニュアルを手に「接遇日本一を目指す」と意気込む相模原市職員
 マニュアルは「できない」「分からない」という言い回しは冷たい印象を与えるとして、「~すればできます」など肯定的な言葉に言い換えるように促す。専門用語はなるべく使わないように求め、話を聞く際は「うなずきや適切なあいづち」「相手の目を見る」を注意点とする。
◆「民間でもなかなかないレベル」の評も
 2002年の初版に、時代や社会の変化に応じて加筆した部分もある。
 その1つが、連絡手段として当たり前になったメールの正しい作成方法。「本文の最初には宛名を明記」といった基本的な注意事項のほか、「ポイントを先に書き、その後に詳細や補足事項を書く」「改行や1行あけて段落を作る」といった簡潔に用件を伝える工夫についても盛り込んだ。
 ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカー行為、児童虐待の関連で配慮が必要な市民への対応について、知識の習得を促すほか、個人情報の厳重な取り扱いも加筆した。
 市民対応のマニュアル自体を持つ自治体は珍しくない。ただ、市によると、改訂版の内容はきめ細かく、作成にあたって助言を求めた企業関係者から「民間でもなかなかないレベル」との評価を得たという。
 市ではマニュアルを職員研修に活用するほか、ホームページで公開し、市民から寄せられた意見を反映させ、内容を改善していく方針だ。
 奈良浩之総務局長は「言葉だけの市民サービスではなく、職員がおもてなしの心を持って対応できているか見つめ直す機会にしたい」と話す。市は財政難に直面しているが「『お客さま対応』の向上は、お金をかけずに職員のやる気次第で実現できる。相模原の強みにしていきたい」と力を込める。

本記事では、相模原市における接遇マニュアルの取組を紹介。

同市では、同市の「職員一人ひとりの接遇能力の向上」を目的に、「接遇マニュアル」を「改訂」*1

同マニュアルに基づく、同市職員の今後の「応対」*2の状況は要観察。