人気漫画チームと協定 「弱虫ペダル」とつくば市 地域復興へ二輪三脚 旧筑波東中にBMXコース新設(東京新聞2021年7月20日) 

 自転車競技がテーマの人気漫画「弱虫ペダル」の作者渡辺航(わたる)さん(50)が率い、つくば市を拠点とする「弱虫ペダルサイクリングチーム」が市と連携協定を結び、地域振興に協力することになった。市内のつくば霞ケ浦りんりんロードが一昨年、「ナショナルサイクルルート」に指定されたことも追い風に、市は廃校に自転車競技BMXのコースを整備するほか、自転車に優しい街づくりを進めていく。(林容史)
 「『自転車って楽しい』と思える街になれば。子どもたちが自転車に触れて、仲間たちと絆を深めていってほしい」
 市役所で六日に開かれた連携協定の調印式で、渡辺さんはそう話し、期待を込めた。
 弱虫ペダルサイクリングチームは二〇一四年、ロードレースを含む総合的な自転車の愛好者らで発足。国内トップ選手も加わり、約十人で筑波山など市内を中心に練習してきた。
 調印式には渡辺さん、チームの佐藤成彦(しげひこ)ゼネラルマネージャー(51)、五十嵐立青市長が出席。五十嵐市長は「自転車シーンを盛り上げていくため、これほど頼もしいパートナーはいない。安全で楽しい利用を進めていく第一歩」と喜んだ。
 連携により、チームは自転車の安全教室やイベントの開催で市に協力していく。目玉になるのは、二〇一八年に廃校になった旧市立筑波東中学校(北条)に市が二〇二三年のオープンを目指すBMXコースだ。コースの設置はチームが発案し、運営にも当たる。
 学校はりんりんロード沿いにあり、週末、サイクリストたちでにぎわう筑波連山の「不動峠」の上り口に位置する。これらの好条件を生かし、大会の開催などで人を呼び込み、観光や飲食などで回遊効果も狙う。
 校庭に約四百メートルの「BMXレーシング」のコースを造成。子供用のコースやフリースペースも設ける予定だ。校舎にはトイレや更衣室、シャワー室を備え、自転車の整備、修理ができる施設にする考え。
 市サイクルコミュニティ推進室の高橋研太室長は「子どもたちが自転車に乗り始める施設になれば。その上で多くの人に来てもらい、地域振興にもつなげたい」と力を込める。
 りんりんロードが二〇一九年十一月、走りやすさや休憩施設などが整ったことを示す国のナショナルサイクルルートに指定されたことを受け、市は本年度、自転車を活用した街づくりを進めるために推進室を新設した。
 CO2削減や健康増進、渋滞解消などの観点から、市民に自転車利用を呼び掛けているほか、ヘルメットや幼児二人同乗用自転車の購入費を補助するなどしている。つくばエクスプレス(TX)研究学園、つくば両駅周辺でシェアサイクル事業をスタートさせることも計画している。
弱虫ペダル> 週刊少年チャンピオン秋田書店)で2008年から連載中のスポーツ漫画。ロードレースを通して友情を育んでいく主人公の高校生・小野田坂道たちの姿を描く。コミックスでは73巻が7月に発売。累計発行部数は2500万部を超える。テレビアニメや映画、演劇でも上演されている。

本記事では、つくば市における協定締結の取組を紹介。

同市では、同社との間で「相互連携に基づき自転車利用を推進すること」を目的に、「自転車利用の推進」「自転車安全利用の啓発」「自転車活用による地域振興」に関する「協定」を「締結」*1

「公-民協定(縦型協定)」*2となる同協定。同協定に基づく事業の実施状況は、要確認。

*1:つくば市HP(つくば市政 : つくば市の取組 )「 弱虫ペダルサイクリングチームとの自転車利用の推進に係る連携協定 

*2:大橋洋一行政法Ⅰ  現代行政過程論 第4版』(有斐閣、2019年)243頁。

行政法I 現代行政過程論 第4版

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