虐待対応、AIを活用 江戸川区児相「はあとポート」 通話を文字化、スタッフが内容共有(東京新聞2021年10月25日)

 江戸川区児童相談所「はあとポート」(中央三)は先月から「通話音声分析・モニタリングシステム」を試行的に運用している。人工知能(AI)を活用、児童福祉司や、児童心理司らが応対する電話相談の通話内容をリアルタイムで文字起こししてテキストにしていく仕組みだ。(井上幸一)
 システムは蓄積されたデータからAIが分析して、通話の発語を文脈に適した単語へと変換していく。音声を同時に文字にすることで、通話している以外のスタッフも即座に内容を共有できる。
 「虐待」や「警察」など一定のキーワードが検出されると、画面上で赤色に表示し、アラートを発出。画面を自身のモニターでチェックしている、指導的立場のスーパーバイザーの肩書を持つ児童福祉司と児童心理司が、同時進行で通話内容を知ることで、組織的な対応に移行できる。
 通話終了後には、自動で内容の要約も作成。業務効率化で、スタッフは児童や保護者への対応に時間を割くことができる。
 現在、システムが搭載されたテスト機器十台を導入。データを蓄積して精度を高めている。来年一月に本格稼働させ、通話対応にあたる全職員分、約百台を配置するという。
 区によると、昨年四月に児相が開設されてから一年間で受け付けた相談は五千二百十六件で、うち虐待に関するものは約40%の二千四十二件。今年四〜八月の相談件数は千九百八十八件で昨年同期比では減少したが、コロナ禍で子どもたちを取り巻く環境は厳しくなっていることが予想されるという。
 区子ども家庭部援助課の上坂(こうさか)かおり課長は「虐待の早期発見、対応には、児童やその保護者と対面できる時間の確保が必要。AIを活用し、業務の効率化を推進していく」と話している。

本記事では、江戸川区における児童相談所の取組を紹介。

同区の同相談所では「通話音声をリアルタイムにテキスト化」し「通話者以外の者も即座に内容を共有できる仕組み」*1を導入。同取組では「通話内容に応じて」「子育て関連施設の一覧など」の「参照すべきマニュアル等を通話者の画面上に示すことができる」*2

相談内容の「データとして処理」*3する同取組。対応状況は要確認。