「外国人にも住民投票権」条例案に賛否拮抗 武蔵野市 21日本会議の採決に注目(東京新聞2021年11月13日)

 要件を設けずに外国人の投票を可能とする東京都武蔵野市住民投票条例案が13日、市議会総務委員会(深沢達也委員長)で審議され、賛成4、反対3の小差で可決した。21日の本会議での採決が注目される。現状で賛成と反対の議員数は拮抗しており、成立するかどうかは微妙な情勢だ。
 この日の議論では、反対派委員から外国人参政権と結び付けた質問があり、市側は「参政権とは異なる。住民投票は意見の表明であり、請願に近いものと考える」と回答。住民投票の「結果の尊重」について松下玲子市長は「条例は諮問型で、拘束型ではない。結果がそのまま市の決定になることはなく、市長と議会が判断することになる」と説明し理解を求めた。
◆市内に3カ月以上住む18歳以上の外国人に
 条例案は、市内に3カ月以上住む18歳以上なら外国人にも日本人と同様に住民投票投票権を認める内容。有資格者全体の4分の1以上の署名が集まれば投票が行われる常設型。成立すれば、外国人に在留期間などの要件を設けない条例としては神奈川県逗子市、大阪府豊中市に続く3例目で、都内では初となる。
 武蔵野市によると、常設型の住民投票条例を持つ全国の自治体のうち、外国人にも投票を認めているのは43自治体。このうち東京都小金井市など28自治体は永住外国人に限定している。
 残る13自治体は、永住外国人に加えて中長期の定住外国人に「国内で在留資格を持ってから3年以上」(川崎市)などの要件を付けている。(花井勝規)
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◆市民50人傍聴、賛成派「条例ごく自然」反対派「ヘイトではない」
 市議会総務委員会の傍聴席には市民ら約50人が詰め掛け、議論に耳を傾けた。
 11月に賛成の声明を発表した市民有志に名を連ねる女優の金子あいさん(53)も傍聴した。金子さんは「多くの外国人が既に周りに住んでいる実感があり、条例はごく自然だと思う。逆に外国人を除外する理由が市民として分からない」。「市の担当者が憲法に反していないかなど、よく調べていることが分かり、安心できた。傍聴して良かった」と話した。
 審議では「『外国人に市が乗っ取られる』などという言説が流れている」との委員の指摘もあった。
 反対の立場で署名活動をしている「市の住民投票条例を考える会」の金子宗徳代表(46)は、総務委の陳述で条例案の市民への周知不足を訴え、「選挙の有権者住民投票の投票者が異なれば、議会の機能低下につながりかねない」と主張。本紙の取材に「ヘイトではない。今の時点で外国人に政治的門戸を開くことは適切とは思わない」と強調した。(宮本隆康)

本記事では、武蔵野市における住民投票制度の取組方針を紹介。

で記録した同市の同条例案の検討の取組。同記録以降、同条例案に関する「様々な」「問い合わせ」を受け、「問い合わせ内容」への同「市の回答」を、2021年「12月6日」に「「武蔵野市住民投票条例案」に対するよくあるお問い合わせについて」*1として公表している。その後、同年「12月13日」に開催された同市議会「総務委員会」にて、同条例案が「審査」*2され、本記事によると「賛成4、反対3」で「可決」された模様。

「投票結果に法的拘束力がない諮問型」*3の同条例案条例案の審議過程は要確認。