人工衛星使い災害に備え 川崎市とNECが全国初の協定 崖の観測(東京新聞2022年2月27日)

 川崎市は二十五日、人工衛星の画像データを市内の崖の変動観測や災害時の状況把握に役立てようと、衛星を運用する大手電機メーカーNECと「デジタル技術を活用した防災まちづくりに関する協定」を結んだ。NECが同様の協定を自治体と結ぶのは初めてという。(安藤恭子
 NECによると、約五百キロ上空の宇宙に浮かぶ合成開口レーダー(SAR)を搭載した衛星を使い、電波を地形に当てて跳ね返ってきた電波をとらえ撮像を行う。画像を蓄積し、崖の変位を計測し、データの公開を目指す。ミリ単位の精度で計測でき、これまでも空港施設やトンネル工事の測量などに活用されてきた。
 協定で主な観測対象とするのは、北部の多摩丘陵など、市内に約二千二百カ所ある土砂災害警戒区域。協定は二〇二五年度までの約三年間で、(1)衛星による崖の継続的な変動観測の実用化(2)効果的なモニタリングに向けたNECと市の共同研究(3)災害発生時のNEC衛星による観測データ提供など協力体制構築−を取り組みとして定めた。
 市の新年度予算には崖の変動観測のほか、地盤の専門家による市民講座などの相談支援業務を合わせ、千四百万円が計上された。
 市役所で協定を締結したNECの田熊範孝・執行役員常務は「一九七〇年代から取り組んできた自社の衛星の技術を使い、川崎市と安心や安全の価値をつくる取り組みができて光栄」と話した。

本記事では、川崎市における協定締結の取組を紹介。

2021年「2月」「25日」に同社と「デジタル技術を活用した防災まちづくりに関する協定」を「締結」*1。本記事によると「衛星による崖の継続的な変動観測の実用化」、「効果的なモニタリングに向けたNECと市の共同研究」「災害発生時のNEC衛星による観測データ提供など協力体制構築」が実施される模様。

「公-民協定(縦型協定)」*2となる同協定。同協定に基づく取組状況は、要観察。

*1:川崎市HP(市政情報市長の部屋市長の動向令和3年度)「市長の動向・令和4年2月

*2:大橋洋一行政法Ⅰ  現代行政過程論 第4版』(有斐閣、2019年)243頁。

行政法I 現代行政過程論 第4版

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