都議会で初めてのオンライン「出席」、コロナ感染議員が自宅から質問(東京新聞2022年3月10日)

  都議会で9日、新型コロナウイルスに感染して自宅療養している議員がオンラインで委員会の審議に参加した。都議会では初めての試みで、議場にいる小池百合子知事らに画面越しに質問した。国会でオンライン開催の議論が停滞する中、地方議会では有事を見据えた態勢づくりが広がっている。(加藤健太)

 オンライン参加したのは平慶翔議員(34)=都民ファーストの会。新年度予算を審議する予算特別委員会で質問を予定していたが5日に感染が判明し、オンライン参加を申請していた。
 平氏の自宅と委員会室をネットでつなぎ、平氏の様子は委員会室に置いた60インチほどのモニターに映し出された。スピーカーから流れる音声がこもることはあったが、40分間のやりとりで目立ったトラブルはなく、知事や都幹部は委員会室の答弁台から質問に答えた。
 総務省がコロナ禍の2020年4月、地方議会の委員会のオンライン開催について「感染拡大を防ぐため差し支えない」との判断を示し、各地で運営方法の見直しが広がっている。
 大阪市議会では感染者ら5人が委員会にオンラインで出席。茨城県取手市議会の委員会ではオンラインで議案の賛否を問う表決も行われている。一方、国会では3月、衆院憲法審査会が「オンライン出席を例外的に認める」とする見解を示したばかりで、実施の見通しは立っていない。
 都議会は2020年9月にオンライン参加を認めて以降、議員11人が感染しているが、オンライン参加の申請は今回が初めてだった。
 小池知事は終了後、報道陣の取材に「議会もオンラインでできるという、例を作ったことに敬意を表したい」と評価した。
 議会運営委員長の小宮安里議員(自民)は取材に「災害のほか、働き方改革や介護、子育てなどさまざまな事情がある中で、どこまでの理由をオンラインで認めるか。各会派で意見を持ち寄って議論していきたい」と述べた。

本記事では、東京都における感染拡大防止の取組を紹介。

同都議会の「議員が新型コロナウイルス感染症に感染した」「ことが確認された」*1ことを踏まえて、本記事によると当該「議員がオンラインで委員会の審議に参加」された模様。

オンライを通じた「議論の実質性」*2の状況は要確認。

*1:東京都HP(都議会)「新型コロナウイルス感染症に関する「東京都議会災害対策連絡調整本部」開催状況

*2:金井利之『自治体議会の取扱説明書 住民の代表として議会に向き合うために』(第一法規、2019年)、102頁

自治体議会の取扱説明書―住民の代表として議会に向き合うために―