性別による思い込み解消を 男子先の「男女別名簿」受け、都内の全公立学校に指導資料を配布 都教育長(東京新聞2022年6月8日)

  東京都内の公立小中学校の一部で、男子を先にした男女別名簿が使われていることを受け、都の浜佳葉子教育長は8日の都議会一般質問で、男女で分ける慣例などを見直し、性別による思い込みに気付く重要性を記した指導資料を、都内の全公立学校教員に配布したことを明らかにした。

 男女別名簿では児童生徒を性別で分け、男子の後に女子が続く表記が多い。男子が優先されるなどの無意識の思い込みを助長しかねないとして、性別で分けない混合名簿の導入が各地で進む。混合名簿には、出生時の性別と異なる性で暮らすトランスジェンダーに対応できる長所もある。
 指導資料は4月に配られ、名簿のほかに、学校指定の持ち物の色を男女別にする慣例の見直しにも言及。5月に開催した校長研修会でも意識啓発をしたという。浜教育長は「今後も、性別による役割分担意識を解消することの大切さを学校に周知する」と述べた。
 都は2002年、公立小中学校の男女混合名簿の導入推進を掲げたが、その後の計画から削除。浜教育長は4月の本紙インタビューで「男女に分けないことの効果を説明し、区市町村に周知を図る」と話していた。(奥野斐)

本記事では、東京都における名簿の取組方針を紹介。

同都が毎年度公表する『東京の男女平等参画データ』にて2006年3月分まで公表してきた「公立学校における男女混合名簿の実施状況」によると、「2005」年度では「中学校」が「39.3」%、「小学校」が「79.3」%、「高等学校(全日制)」が「82.2」%、「高等学校(定時制)」が「94.0」%、「盲・ろう・養学校」が「95.1」%であった「男女混合名簿*1。本記事によると同都同庁より「男女で分ける慣例などを見直し、性別による思い込みに気付く重要性を記した指導資料」が、同「都内の全公立学校教員に配布」された模様。

「二項分類」*2の配列に基づく男女別名簿。同方針に基づく取組状況は要観察。