東京都、防災強化へ10年間で6兆円 調節池や防潮堤など(日本経済新聞2023年1月10日)

東京都は関東大震災から100年の節目となる2023年度、「強靱(きょうじん)な東京」を目指した施策を相次いで実施する。最新の気候変動や地震被害想定を反映させた防災対策に基づき、新たな調節池の整備や防潮堤の整備を拡充させる。事業費として23年度予算に7300億円超を計上する見込みで、今後10年間で6兆円を投じる。

10日に23年度予算案を査定した小池百合子知事が明らかにした。23年度は新たに貯留量が約4万立方メートルとなる仙川第1調節池(仮称)を事業化する。また水門を閉鎖した際に発生する内水氾濫のリスクに備え、芝浦排水機場(港区)などの機能を強化する。

国や区市町村と連携した事業も進める。点検で備品不足が発覚した町会や自治会に、備品購入にかかる経費を補助する。

22年に公表した防災・減災対策「TOKYO強靱化プロジェクト」では、風水害、地震、火山噴火、電力・通信の途絶、感染症といった5つの「危機」が併発した際に、被害を最小限とするための整備計画をまとめた。40年代までの計画で、全体の事業費は15兆円を見込んでいる。

小池氏は査定後の記者会見で「都民が安心できる持続可能な首都東京を実現する」と述べた。

本記事では、東京都における予算編成の取組を紹介。

同都では、2023年度「予算編成」における「知事査定」を2023年「1月6日」から同年同月「13日」*1まで実施。同月「10日」の「各論④」*2では、本記事によると「新たな調節池の整備や防潮堤の整備」「事業費」を「7300億円超を計上」する案が査定された模様。

「財政健全性の確保」*3とともに強靭化に向けた、予算編成の結果は要確認。

*1:東京都HP(都政情報 :都政 : 組織情報 : 東京都の組織・各局のページ財務局財政情報予算 :令和5年度予算)「令和5年度予算編成に係る知事査定の実施について

*2:前掲注1・東京都(令和5年度予算編成に係る知事査定の実施について

*3:小西砂千夫「財政」北山俊哉・稲継裕昭編『テキストブック地方自治 第3版』(東洋経済新報社、2021年)155頁