依頼と説得の心理学―人は他者にどう影響を与えるか (セレクション社会心理学)

依頼と説得の心理学―人は他者にどう影響を与えるか (セレクション社会心理学)

  • 購入理由:後期に開講した学部演習での参考用文献として.

違反建築防止週間(11〜17日)に合わせ、県や松山市などによる建築パトロールが13日、県内9市町であり、担当職員らが一戸建て住宅、集合住宅、商業施設などの建築現場で施工状況を確認した。
 松山市では市建築指導課職員や県建築士事務所協会の会員ら約20人が市内を4ブロックに分けて巡回した。同市南白水1丁目の分譲住宅建築現場では、市職員がメジャーと高さ測定器を用意。建物から道路までの距離や実際の建物の高さを測り、申請した図面通りに建てられ、建築基準法が守られているかどうかを確認していった。。

本記事では,松山市における建築現場における施工状況の確認の取組を紹介.同取組に関しては,同市HPを参照*1(2010年10月13日付の四国新聞でも報道されているように,高松市香川県の同取組*2のように,「特定行政庁」*3としての443の市区町村と各都道府県では,「違反建築防止週間」として,「一斉公開パトロール*4が行われたのでしょうか).
同市では,同「市民」に対して,「建築基準法の目的及び内容」の「周知」とともに,「違反建築物に対して」「適正な指導」を行うことにより「良好な市街地の形成及び建築物の質的向上に努めること」を「目的」に,「公開建築パトロール」を実施.そのパトロールの構成は「市職員」が「13名」,「関係協力機関」が「9名」の計22名となり,「市内を東・西・南・北地区の4ブロックに区分」し,22名のそれぞれ「4班」に分けて,「平成22年10月13日(水)」の「10時〜14時」の4時間で行われた模様.ただ,「公開」のパトロールではあるものの,「報道に際し」ては,その「調査対象となる建築物の間取り,建築主氏名,施工者氏名等の公表は,差し控えていただきますよう」との「お願い」*5も求められている.同パトロール後の是正命令に先立つ「適正な指導」という「行政上の誘導」*6の実効性確保もまた,想定されているのでしょうか.
「違反対策が建築物の安全を支え」*7るうえでも,「そのツケは購入者(および後の転売者)に回る」*8違法建築を事前に抑制するためにも同種のパトロールがもつ啓発的効用もまた想定されなくもない.ただ,「被規制者と規制者との距離を確保」するために,「建築確認などの検査や違法建築物に対するモニタリングのコスト,さらにはサンクションを発動するためのコスト」*9を「公的財源を用いての運営」*10されることで,「監視と統制」の「コスト」の「二次的ジレンマ」*11もまた建築確認には内在しうるのだろうか.規制実施の観察対象としても,興味深い,

*1:松山市HP(報道資料)「平成22年度違反建築防止週間に伴う公開建築パトロール」(建築指導課,2010年10月7日)

*2:四国新聞(2010年10月13日付)「違反建築防げ/県と高松市が一斉パトロール

*3:全国建築審議会協議会HP「特定行政庁

*4:八重山毎日新聞(2010年10月13日付)「「違反建築はないか」市内で一斉パトロール

*5:前掲注1・松山市(平成22年度違反建築防止週間に伴う公開建築パトロール

*6:中原茂樹「行政上の誘導」磯部力・小早川光郎・芝池義一『行政法の新構想Ⅱ』(有斐閣,2008年)203頁

行政法の新構想〈2〉行政作用・行政手続・行政情報法

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*7:増渕昌利編著『違反建築ゼロ 住まいの安全・神戸の挑戦』(学芸出版社,2007年)28頁

違反建築ゼロ―住まいの安全・神戸の挑戦

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*8:大橋洋一『対話型行政法学の創造』(弘文堂,1999年)200頁

対話型行政法学の創造 (行政法研究双書)

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*9:原田大樹「政策実施の手法」大橋洋一編著『政策実施』(ミネルヴァ書房,2010年)58頁

政策実施 (BASIC公共政策学)

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*10:前傾注9・原田大樹2010年:59頁

*11:山岸俊男社会的ジレンマ』(PHP出版,2000年)98頁

社会的ジレンマ―「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)

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