滋賀県は本年度、公共施設に企業や商品の名を付ける命名権ネーミングライツ)売却を進めるためのガイドラインを作成する。これまで約5年、導入に向けて取り組んできたが、現時点で実績がないためだ。他府県の事例も調査し、行財政改革の一環として導入を目指す。
 県ではこれまで歳入確保策として、命名権売却の検討を進めてきた。2008年度には導入を進めるよう総務部長名で各部局に通知を出し、09年度には募集要項のひな型も作成した。だが企業などの応募がない可能性や、特定の企業名が付くことによる利用者数減少への懸念など、命名権売却に対する負のイメージも背景にあり、思うように進んでこなかったという。
 ガイドラインは他府県の事例を踏まえた上で、各部局が取り組みやすいよう総合的な内容を網羅する予定。作成後は各部局に説明し、導入の可能性を探るという。県は「命名権売却は行財政改革の一手法。導入に向けて取り組みたい」としている。命名権売却は京都市で導入事例があり、西京極総合運動公園右京区)が「わかさスタジアム京都」に改称している。

本記事では,滋賀県における命名権に関するガイドライン策定の方針を紹介.
同県が2008年3月に取りまとめた『新しい行政改革の方針〜県行政の経営改革〜実施計画』では,「県が保有している財産,県が発行する印刷物やウエブページ,県が保有する権利(施設命名権を含む.)等の県有資産等を民間企業や団体等が行う広告,宣伝の媒体として有効活用すること」を記載し,2007年度「中に方針を決定」,2008年度「から具体的検討を行い,実施」予定とし,2011年度「以降」も「県有資産等」を「一層の有効活用を図る」目的から「引き続き検討」を進め「歳入の確保に努め」*1ることが明記されている.
しかし,2011年3月に策定された『滋賀県行財政改革方針〜 変革を先導する県政経営 〜実施計画』*2を拝読させて頂くと,2007年度「末から」「「県有財産活用検討会議」を設置」し「県が保有する公有財産のうち未利用となっているもの」の「情報の共有化」や「利活用および処分方針の決定,処理目標期限」は「決定」されつつも,「昨今の景気低迷や地価の下落等が売払収入確保に影響を及ぼし」「県有資産を活用した広告事業も応募が低調であるなど」の状況にあったとして,同実施計画内で「歳入確保に向けて県有資産のさらなる利活用に努める必要」性が改めて明記されている.そして,具体的には「県有資産を活用したネーミングライツ販売の推進や広告の募集施設の拡大など広告等事業を推進」を目指されている.本記事で紹介されている「ガイドライン」の策定も同事業の推進の一つとも整理ができそう.ただ,本記事を拝読させて頂くと,「各部局が取り組みやすいよう総合的な内容を網羅」された内容で「ガイドライン」を策定される模様.総合的であることに伴う「曖昧」*3さは,どの程度希釈化されるか,策定後,要確認.